急ぎの仕事も、気持ちよく引き受けてもらうには

 部下が上司の言うことを聞くのは当たり前と思って、つい命令口調で仕事を頼んでいませんか。特に急ぎの仕事を頼むときは、そのようになってしまいがちです。この場合、部下には「やらされ感」が生じ、仕事のパフォーマンスも低下してしまいます。
 そうならないためにも、次の3つのポイントを明示した頼み方をするといいでしょう。

1. なぜ、いまやる必要があるのか
 部下もたくさん仕事を抱えています。そのなかで、急ぎの仕事を手伝ってもらいたいとき、「ただ手伝ってくれ」では、やる気にならないでしょう。「いま、やらなければならない理由」を明示するようにしましょう。

2. その人に手伝ってほしい理由を伝えよう
「いいから手伝ってくれ」と上司から仕事を頼まれた部下からすると、「他にも仕事を抱えているのに、何で私がやらなければならないのか」と不満に思うでしょう。逆に、ここでは「山田さんにだから頼みたいんだ」と、その人に頼む理由を伝えましょう。人は「○○さんだから」という限定に弱いものです。

 なお、クッション言葉として“が”を使うといいでしょう。「山田さんが忙しいことはわかっているのですが」という頼み方をすれば、部下も配慮してくれているのだなと思います。決して「やって当たり前」と思ってはなりません。

3
. 「一緒に」を強調しよう
 人は、他の人と一緒に何かをやることが、根本的に好きです。よって、「一緒に」という言葉を使うだけで、「やらされ感」がなくなります。
 上司は部下を「仕事の下請け」ではなく、一緒に仕事をしていくパートナーと位置づけましょう。

次回は10月15日更新予定です。


◆ダイヤモンド社書籍編集部からのお知らせ◆

『部下のやる気を引き出す 上司のちょっとした言い回し――聞き方・褒め方・頼み方・伝え方・叱り方…すぐに使える150フレーズ』吉田幸弘 著
好評発売中!

部下をその気にさせる効果的なひと言

 ちょっとした言い方、言い回しで、部下はやる気を出せば、逆にクサらせてしまうこともあります。
 相槌の打ち方・聞き方・褒め方・頼み方・励まし方・伝え方・叱り方――シーン別にどんな言い回しをしたらいいか、また困った部下に対しての効果的なひと言を、豊富な事例を交えて解説します。

四六判並製・248ページ・本体1400円(+税)

ご購入はこちらから!→ [Amazon.co.jp] [紀伊國屋書店BookWeb] [楽天ブックス]