急ぎの仕事も、気持ちよく引き受けてもらうには
部下が上司の言うことを聞くのは当たり前と思って、つい命令口調で仕事を頼んでいませんか。特に急ぎの仕事を頼むときは、そのようになってしまいがちです。この場合、部下には「やらされ感」が生じ、仕事のパフォーマンスも低下してしまいます。
そうならないためにも、次の3つのポイントを明示した頼み方をするといいでしょう。
1. なぜ、いまやる必要があるのか
部下もたくさん仕事を抱えています。そのなかで、急ぎの仕事を手伝ってもらいたいとき、「ただ手伝ってくれ」では、やる気にならないでしょう。「いま、やらなければならない理由」を明示するようにしましょう。
2. その人に手伝ってほしい理由を伝えよう
「いいから手伝ってくれ」と上司から仕事を頼まれた部下からすると、「他にも仕事を抱えているのに、何で私がやらなければならないのか」と不満に思うでしょう。逆に、ここでは「山田さんにだから頼みたいんだ」と、その人に頼む理由を伝えましょう。人は「○○さんだから」という限定に弱いものです。
なお、クッション言葉として“が”を使うといいでしょう。「山田さんが忙しいことはわかっているのですが」という頼み方をすれば、部下も配慮してくれているのだなと思います。決して「やって当たり前」と思ってはなりません。
3. 「一緒に」を強調しよう
人は、他の人と一緒に何かをやることが、根本的に好きです。よって、「一緒に」という言葉を使うだけで、「やらされ感」がなくなります。
上司は部下を「仕事の下請け」ではなく、一緒に仕事をしていくパートナーと位置づけましょう。
次回は10月15日更新予定です。
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