変わるきっかけは
日常の中にある

堀江 それでいうと僕は「やりたいことがない」っていうのも言い訳だと思う。だって子どものころはみんな宇宙飛行士になりたいとか、サッカー選手になりたいとか、いろいろ夢を語ってたわけじゃないですか。それをどんどんあきらめていって、いつの間にか「やりたいことがない。夢がない」っていうのは、言い訳だと思うんですよね。
だから僕はそういう人たちに、なんでもいいから夢を語らせたいんです。そうすれば一歩前に進めるから。一歩を踏み出すのって「いままでと違うこと」を、なにかひとつでもいいからやってみることなんですよね。

第2回<br />[蜷川実花×堀江貴文 対談](後編)<br />最初の一歩はミニスカートでいい「なにもない自分に小さなイチを足していく」ことこそ最も大事という点で一致したお二人。若い人たちにぜひそれを理解して欲しいと熱く語り合いました。

蜷川 そう! それすっごい重要で、私はやっぱり女の子の話になっちゃうけど、たとえば「ほんとはもっと短いスカートを穿きたいのに、歳だから穿けない」とか「まぶしいからサングラスかけたいのに、セレブ気取りっていわれるからできない」とか「帽子が好きなんだけど、へんに帽子を被ったら目立っちゃう」とか「ネイルかわいい色にしたいけど、会社で怒られる」とか「ほんとはストッキングなんか暑いから嫌なんだけど、穿いてないと怒られる」とか、女の子ってそういうブレーキがいっぱいある。

堀江 ああー、そうかそうか。

蜷川 でも、そういうちっちゃいことでいいと思う。最初の一歩を踏み出すのは。いいじゃん、40歳を過ぎて短いスカート穿いても。好きなときにサングラスかけて、帽子を被っても。誰に迷惑かけるわけじゃないんですから。

堀江 ほんと、そうですよね。

蜷川 服装でもネイルでもなんでもいいですけど、自分の背中を押してくれることって、日常の中にいっぱいあると思うんですよね。そして人が変わるときって、そういう小さなことがきっかけなんだと思う。実際ね、頭の中で悶々と考えてるよりも、ミニスカートを穿くっていう物理的な一歩を踏み出すだけで、気持ちも変わるんじゃないかなって思います。

堀江 そうか、ほんとに『ゼロ』と同じだ。

蜷川 うん、だからすっごい共感して「そう、そう!」って思いながら読んだし、みんなに薦めます。

堀江 日常の中の、小さな一歩。

蜷川 スカートでもネイルでもいい。

堀江 ああ、残念ながらもう終了の時間だ。いや、今日はどうもありがとうございました。すごく楽しかったです!

蜷川 私も楽しかったー。こういう機会がないと、ここまで一気にしゃべらない。もうこれで次からは緊張せずに話せますよね?(笑)

堀江 もう大丈夫っす(笑)。また今度ご飯でも行きましょう!

(終わり)


【編集部からのお知らせ】

堀江貴文著『ゼロ──なにもない自分に小さなイチを足していく

【内容紹介】

第2回<br />[蜷川実花×堀江貴文 対談](後編)<br />最初の一歩はミニスカートでいい定価(本体1400円+税)、46判並製、240ページ、ISBN:978-4-478-02580-2

誰もが最初は「ゼロ」からスタートする。
失敗しても、またゼロに戻るだけだ。
決してマイナスにはならない。
だから、一歩を踏み出すことを恐れず、前へ進もう。

堀江貴文はなぜ、逮捕され、すべてを失っても、希望を捨てないのか?
ふたたび「ゼロ」となって、なにかを演じる必要もなくなった堀江氏がはじめて素直に、ありのままの心で語る、「働くこと」の意味と、そこから生まれる「希望」について。

【本書の主な目次】
第0章 それでも僕は働きたい
第1章 働きなさい、と母は言った──仕事との出会い
第2章 仕事を選び、自分を選ぶ──迷い、そして選択
第3章 カネのために働くのか?──「もらう」から「稼ぐ」へ
第4章 自立の先にあるつながり──孤独と向き合う強さ
第5章 僕が働くほんとうの理由──未来には希望しかない

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