ただ、細かすぎるマネジメントは、部下の仕事へのやる気を削ぐ要因になります(残念ながらマイクロマネジメントが部下のストレスになっていることに気付く上司は皆無に近いですが)。できれば、部下に仕事を任せる度量も上司には欲しいもの。
「好きにやりなさい。責任は自分が取るから」
そんな言葉を言ってくれる人こそ、理想の上司と思っている部下は少なくありません。
産業能率大学が行った調査(『2013年度新入社員の理想の上司』)によると、理想の上司の指導スタイルは「感覚主導派」と分類され、まずは任せてみて、進めながらやり方を細かく指導するタイプとのこと。やり方を細かく指導するマイクロマネジメントより求められているスタイル。
ところが、よくよく話を聞いていくと、Eさんのストレスの真の原因はマイクロマネジメントによるものではありませんでした。社会人経験も10年になりますから、事細かな上司の指導を巧みに聞き流すくらいのことはできます。
そこでさらに詳しく話を聞いてみると、
「日々の会話で、耐え難い発言が頻繁にあるのです」
とのこと。果たして耐え難い発言とは何でしょうか?
「君に任せる」はずが任せてくれない!?
上司の矛盾にストレスを感じないためには?
さらに話を聞くと、上司からの堪えがたい一言が明らかになってきました。それは、
「この仕事は君に任せる。あとは好きにやってくれ」
というもの。つまり、口では仕事を任せると言いながらも、実際はマイクロマネジメントをしてくる矛盾がEさんのストレスになっていたのです。部下も任せると言われれば、
・仕事の進め方は自分で考える
・成果に対して自分が責任を負う
といった覚悟はできます。ところが、実際は事細かなマネジメントをされたらどうでしょうか?任されたはずなのに「その後はどうなの?」と毎日のようにチェックされて、事細かに指導されるのです。そんな風にするなら、最初に「好きにしていい」なんて言うなよ!という気持ちになり、責任感もなくなってしまうのではないでしょうか?