政府直轄の投資機関とのプログラム構築も可能
3つ目は、自社の技術ニーズ、自社戦略に応じた認知拡大をサポートする。このプログラムでは、イスラエルでのコラボレーションイベント開催を勧めている。イスラエルでは、日本の企業名は多く伝わっているが、実際にそうした企業が、イスラエル現地で「何を欲しているか」は、ほとんど伝わっていない。
オープン・イノベーションを推進する日本企業が、何回かイベントを行えば、ニーズを満たす技術を有している企業との関係構築に加え、現段階では評価が定まっていない将来有望な技術者、研究者の掘り起こし、関係構築もできる。有望な人材とのリレーション構築という観点でも、自社の技術ニーズの発信は必須であろう。いい人材がいれば、スカウトすればいい。
イスラエルの強みは、連載第7回で執筆した通り、技術力そのものよりも、課題自体を解決する「発明力」「着想力」にある。そうした人材を探すイベントでは、現地ベンチャー、研究者からピッチを受け、関係者でパネルディスカッションでもいいし、「アイデアソン」「ハッカソン」といった、頭脳の強さ、コンセプトの良さ、実力などを判断するものどちらでもいいだろう。
また、イスラテックは、イスラエル政府直轄の投資機関であるオフィス・ザ・チーフ・サイエンティスト(Office The Chief Scientist)、アワークラウド(OurCrowd)、イスラエルの主要大学とのリレーションを保持しているので、こうした機関とのイベントでの連携も可能である。
土地勘のない海外でイベント開催となると(ましてイスラエル)、会場手配、集客、運営などイベント本来の企画以外の部分にリソースをとられ、イベント自体がおろそかになりがちであるが、運営自体の事務作業を行う時間は、最低限となり、本業に集中する時間を最大化できるだろう。