お父さんへのアドバイス2:昔の失敗談を息子に聞かせる

髙橋 受験でも、お母さんが主導権を握っていることが多いようですね。

柳沢 そうですね。特に中学受験では、お母さんがキーマンになって、お父さんの影が非常に薄くなる。そして、たまに男親が何か言うと「あなたは余計な口出ししないで」と、ピシャリ(笑)。実際、「余計な口出し」ではなくても、目標設定(志望校)が決まった後でそれを揺るがすような発言を父親がすれば、それは母親にとって“雑音”なんです。

髙橋 “存在が邪魔”で“発言は雑音”となると、ますます父親が存在感を示すことが厳しくなってしまいますね(笑)。男親は、子供に対してどう接すればいいのでしょうか?

柳沢父親は、男の子が育つときのロールモデルになるのが理想ですね。今、子育ては母親が担う家庭が多いけれど、母親では男の子のロールモデルになれません。親は子供に対して“可愛さ”と“期待感”の両方を抱きますが、異性の子供に対しては、どうしても可愛さしか抱けないんです。おまけに、子供から大人に変化する「多感な時期」を自分が経験していないから、想像もつかない。

でも男親であれば、「オレもあの頃は、こういうことで悩んだりしてた。失敗もした。だからお前も気をつけろよ」と、自身の経験を伝えながらアドバイスができる。子供にとって一番不快なのは、親からの「上から目線」なんです。でも、父親が昔の失敗談を持ち出してきたら、目線は平行になるから素直に聞けるわけです。

次回の掲載は5月28日を予定しています。


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