お父さんへのアドバイス2:昔の失敗談を息子に聞かせる

髙橋 受験でも、お母さんが主導権を握っていることが多いようですね。

柳沢 そうですね。特に中学受験では、お母さんがキーマンになって、お父さんの影が非常に薄くなる。そして、たまに男親が何か言うと「あなたは余計な口出ししないで」と、ピシャリ(笑)。実際、「余計な口出し」ではなくても、目標設定(志望校)が決まった後でそれを揺るがすような発言を父親がすれば、それは母親にとって“雑音”なんです。

髙橋 “存在が邪魔”で“発言は雑音”となると、ますます父親が存在感を示すことが厳しくなってしまいますね(笑)。男親は、子供に対してどう接すればいいのでしょうか?

柳沢父親は、男の子が育つときのロールモデルになるのが理想ですね。今、子育ては母親が担う家庭が多いけれど、母親では男の子のロールモデルになれません。親は子供に対して“可愛さ”と“期待感”の両方を抱きますが、異性の子供に対しては、どうしても可愛さしか抱けないんです。おまけに、子供から大人に変化する「多感な時期」を自分が経験していないから、想像もつかない。

でも男親であれば、「オレもあの頃は、こういうことで悩んだりしてた。失敗もした。だからお前も気をつけろよ」と、自身の経験を伝えながらアドバイスができる。子供にとって一番不快なのは、親からの「上から目線」なんです。でも、父親が昔の失敗談を持ち出してきたら、目線は平行になるから素直に聞けるわけです。

次回の掲載は5月28日を予定しています。


髙橋秀実さんの関連書籍

開成学園校長・柳沢幸雄さん×<br />作家・高橋秀実さん 対談4<br />家庭で透明人間化する「お父さん」の存在新潮社・文庫・
490円+税

『「弱くても勝てます」開成高校野球部のセオリー』

思わず爆笑、読んで納得の傑作ノンフィクション!

ご購入はこちらから!
[Amazon][紀伊国屋書店][楽天books]

 

開成学園校長・柳沢幸雄さん×<br />作家・高橋秀実さん 対談4<br />家庭で透明人間化する「お父さん」の存在光文社・新書・
780円+税

『男は邪魔!「性差」をめぐる探究』

女と男。しあわせのヒントがここにある――。

ご購入はこちらから!
[Amazon][紀伊国屋書店][楽天books]

 

柳沢幸雄さんの関連本

開成学園校長・柳沢幸雄さん×<br />作家・高橋秀実さん 対談4<br />家庭で透明人間化する「お父さん」の存在主婦と生活社
1100円+税

『ほめ力 子どもをその気にさせるプロになる』

元ハーバード・ベストティーチャーが贈る
「自信を持たせる」子育て論

ご購入はこちらから!
[Amazon][紀伊国屋書店][楽天books]

 

開成学園校長・柳沢幸雄さん×<br />作家・高橋秀実さん 対談4<br />家庭で透明人間化する「お父さん」の存在ダイヤモンド社
1400円+税

『自信は「この瞬間」に生まれる』

「一生モノの自信」を手に入れる正しい「がんばり方」とは

ご購入はこちらから!
[Amazon]
[紀伊国屋書店][楽天books]