時間の都合上、答えられなかった質問に著者が全回答!
■問1.
プレゼン相手の感想文を先に考えるとありましたが、相手のパターンが想定できない、もしくは初対面の場合、どうしますか?
初めて訪問する企業だったりする場合は困りますよね。私の場合は、まずプレゼン相手がどのような性格なのか、知っている人から情報収集します。知っている人がいなければ、ネットから周辺情報を洗い、社風や現在目指している方向性を探ります。そして身近でイメージに近い人を当てはめて、その人に向けた文脈で組み立てます。余裕があれば、相手が「情熱重視タイプ」である場合と「データ重視タイプ」の2パターンを用意して開始時の雑談で判断し、有利だと思うものを提示します。
■問2.
複数の企画をひとつに絞る際のポイントは?
これは多数決で決めなくてはならないような時の判断ですよね。私は、それぞれの企画の「価値」を判断するポイントをいくつか設定します。「お客さんの満足度」「類似企画との差別化」「予算」「宣伝しやすさ」「やりたいリーダーがいる」などです。それぞれ5点満点で、点数を割り振り、総合点で決めます。ただし、その都度の強化ポイントは決めますね。
■問3.
企画が通らなかったときのエピソードと、その時どうやって突破したのか?
アニメの例ですが、昔も今も、企画が通るためには強い原作、マーチャンダイジング展開のバックアップがないと、まず実現しません。2000年代、ある日曜の早朝アニメ企画を求められたとき、どうしても、どの候補作品も原作権が獲得できないまま、タイムリミットが迫ったことがあります。このときは、原作なしでオリジナル作品を作るしかないと覚悟を決めて、子ども向け「ハムスター」+大人向け「仕事人(職業マイスター)」+海外向け「生活ギャグ」+主演声優「野沢雅子」など、5つの組み立て術を駆使して、各方面を説得し、「はたらキッズ マイハム組」という作品を間に合わせました。雑誌マンガ連載なども後付で決まり、企画突破までの経緯では、思い出深い作品です。