革命家のロールモデルを求めて

白木夏子(しらきなつこ)
株式会社HASUNA代表取締役・チーフデザイナー。1981年鹿児島県生まれ、愛知県育ち。短大を卒業したあと、2002年ロンドン大学キングスカレッジ進学。国連インターン、投資ファンド会社を経て、2009年HASUNA設立。人、社会、自然環境に配慮したエシカルジュエリーブランドを日本で初めて手掛け、注目を浴びる。テレビや雑誌やはじめ、あらゆるメディアに出演し、そのビジネスと生き方に絶大な支持を集めている。世界経済フォーラムGSCメンバー。

税所 今日みたいに、夏子さんにはいつもご意見やアドバイスをいただいているんですよね。前、バングラデシュにいるときに相談のメールを夏子さんに送ったら「10年後の姿を考えてみるといい」とアドバイスをいただいて。

白木 ああ、そうでしたね。

税所 そのとき聞きそびれてしまったんですが、白木さんの10年後の目標って何ですか?

白木 個人的なところでいうと、2、3ヵ国を拠点にしたいということがまずひとつ。43歳のときには、いろいろなところを転々としながら生活したいなあと思っています。

税所 素敵ですね!

白木 そしてHASUNAとしては、世界中から愛されるラグジュアリーブランドにしたい、という目標があります。もちろん、事業規模を拡大して仕入れを増やした分、より多くの鉱山労働者にフェアな賃金を払える、ということもあります。ただ、それよりも、ブランドが成功する姿を世の中に見せることで、ものづくりの姿勢自体が変わるのではないかと思っているんです。

税所 ものづくりの姿勢?

白木 はい。HASUNAがラグジュアリーブランドとして成功することで、ものづくりの事業をしている人たちが、自分の会社で扱っている素材がどこから来ているのか、どのように採掘されているのか、誰が携わっているのか、ということにもっと真剣に向き合うようになるのでは、と思っています。

税所 ああ、なるほど。

白木 あとは、世界中から児童労働をなくしたい、という願いを叶えるための活動もずっとやっていきたいですね。

税所 搾取の話とか児童労働の話はすごく共感できます。この前、ソマリランド出張の帰りにトランジットでブラジルに寄ったんです。すると、ブラジルでも今や受験のためには予備校通いが必須で、予備校に行けない人は大学に行けない、という話を聞きました。大学に行けないから、就職もできない。最近では、ファーストフードのアルバイトですら学歴がないと難しいらしくて。

白木 そうなんですか。

税所 学位がないとなかなか這い上がれないのは、日本だけではないんです。今や世界中でその流れはできあがっていて、一度教育を満足に受けられないレイヤーに入ると、なかなか抜け出せない。

白木 鉱山での児童労働も同じです。流れに飲みこまれた子どもたちはなかなかそこから脱せません。

税所 そうすると、「いかに教育的に高いレイヤーで生きていくか」ということが至上命題になり、教育ビジネスが横行するわけです。けれど、それは結局お金のある人たちのものでしかない。

白木 日本でも、塾や予備校などは完全にそうですね。

税所 僕は、そういうお金のある人たちへの教育ではなく、この教育格差によって苦しむ人たちに革命を起こしてあげたい、という気持ちがあるんです。僕自身、もともと足立区の落ちこぼれでしたし、東進ハイスクールの授業がなかったら早稲田大学に進学なんてとてもできなかった。

白木 税所くんは、教育そのものに対して強い当事者意識があるわけですね。

税所 はい。僕がこの10年でやりたいのは、学習チャンスがなくてもやもやしている人たちに対して革命を起こしてあげたい、ということ。だから、ちゃんと働いてキャリアを積み上げている友人と自分を比較して落ち込んだりせず、チャレンジし続けられる10年だったら、「良かった」と思えますね、きっと。

白木 他人と比べる必要なんてまったくないですよ。やりたいことをやれば、結果はついてきますから。

税所 そうですよね! 僕、最近はチェ・ゲバラにハマっていて。

白木 ゲバラに?

税所 彼は政治的な圧政からの人民の解放に尽力していましたよね。僕は、子どもたちを「教育という圧政」から解放してあげたい、と思っています。小さくてもいいから、風穴を開けて、革命を起こしていきたいんです。
だから、ソマリランドの革命戦線づくりと同時に、ゲバラの足跡をたどる旅に出ようと思っていて。自分の中で、「革命家」の確固たるロールモデルを持ちたいんです。バイクで足跡をたどることで、自分のものにしたい。ゲバラの霊を降ろしたいな、と!

白木 降霊までしちゃうんですね(笑)。でも、全力で応援しますよ! 

税所 まずは一度ソマリランドに来て、海賊モティーフのジュエリー、作ってくださいよ!

白木 うーん、それはどうかな……(笑)


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