安倍晋三首相は、8月26日、1週間後の9月3日に内閣改造、党役員人事を行うことを明言した。

 既に新任や留任閣僚の名前が取り沙汰されているが、やはり石破茂幹事長に対する人事が注目されている。

 そんな折、25日に石破氏はラジオ番組に出演して「首相と考え方が100%一緒の人が国会で答弁するのがいい」と述べ、安保法制担当相を受けない意志を明らかにした。

 また、石破氏は自民党幹事長には留任する希望も示し、さらに他の閣僚に就任する可能性も否定している。

 首相が石破氏を安保相に起用したいのは、幹事長を辞めさせたいからだろう。だから、石破氏が安保相を断っても、幹事長に留任させるつもりはない。

 今後の知事選、来春の統一地方選では幹事長が先頭に立つ。石破氏を留任させればもともと地方の党基盤からの支持が強い彼を一層強力にさせる。それでは来年9月の総裁選を控えて好ましくない。逆に石破氏はだからこそ留任を望んでいるのだろう。

安保政策で考えを異にする
安倍首相と石破幹事長

 石破氏は安保政策について首相と「考え方が違う」と公言するが、今回の集団的自衛権に関する閣議決定に至る過程では確かに同じではないと感じられた。

 自民党は過去の衆参両院選挙で「国家安全保障基本法」の制定を公約してきたが、石破氏は一貫してこの公約に忠実であろうとしてきた。

 安全保障の基本方針を決めた上で集団的自衛権行使について議論を始める。それは当然のことである。