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外資系リーダーが日本を変える

外資系企業が人を成長させる理由
~「心地よい」職場環境の仕組みと仕掛け

池側千絵 日本ケロッグ 執行役員 財務管理本部長

GAISHIKEI LEADERS
【第10回】 2014年11月14日
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キャリアプランニングを
常に考える環境がある

 外資は終身雇用でも年功序列でもないので、日々自分の今までのキャリアを棚卸して確認し、将来の行きたい方向とマッチしているのか、何を補わないといけないかを考えなければなりません。会社の期待と自分の期待がマッチしない場合は、別の会社・職場に移ることになることになります。したがって、どこでも通用する・ポータブルな能力を身に付ける必要があります。日々そのような環境にいることにより、女性がキャリアと家庭を両立する方法を考えていきやすい環境だと思います。

 外資では全世界的に評価方法が統一されており、我々は、ほかの国の同レベルの人たちと比較されて評価されます。ファイナンス部門でほかの国の人たちは、入社した時から英語が話せてMBAやCPAを持っているのが一般的です。日本人にそういう例は少ないので、実務をしつつ独学や会社の研修で専門分野の研鑚を積む必要があります。私も文学部出身で専門知識がありませんでしたので、のちに米国公認会計士の資格を取得するなどしました。

 職場では、残念なことに、英語が話せるようになり専門スキルを有し、業務で成果を出せる人材を育てても、彼ら彼女らはさらなるステップアップを目指して転職することがあります。会社は常に緊張感を持って、そのような優秀な人材が長くいてくれる職場環境を維持しなければなりません。あるいは、離職者が出た場合は同等かそれ以上の能力を持つ人材が来てくれるような魅力的な職場にしなければなりません。それは、仕事を通じて成長を実感できる職場でしょう。いずれにしても、社員の能力を向上させることが、職場環境の改善につながるのです。

 日本企業に女性管理職が少ない理由の一つに、人材が流動的でない点が挙げられています。新卒で入った大量の日本人男性がほぼ誰も欠けることなく定年を迎えるのであれば、女性や外国人がそこに入り込む余地は少ないででしょう。

 外資では、ローテーションのスピードが速く、2~3年で上司が異動したり転職したりするので、人材を入れ替える機会が多くなります。その際、女性の候補者を積極的に採用していけば、女性管理職の数が増えます。男性もそれに負けず努力するでしょうから、組織はおのずと活性化されます。外国人の幹部登用を進めることもできるでしょう。

 女性が会社を辞める理由に、結婚、出産、育児などが挙げられますが、よくよく本人に聞いてみると、実はそれが本当の理由ではないことが多いと思います。彼女たちは、仕事の達成感を感じられず、また将来の展望や職場環境に不満があって辞めるのです。本当に魅力的な職場と職務であれば、辞めない女性(優秀な人材)も実はたくさんいるのです。

管理部門も成果主義
新しい意見は尊重される

 外資系のファイナンス部門(CFO組織)の仕事は、日本企業でいう経営企画と経理財務を合わせたようなものです。日々の会計、支払、税務などの業務を効率よく正確にこなし、それを基盤として利益・資金管理をして、経営陣からの信頼を獲得した上に、数字の観点から(時にはそれも超えて)経営アドバイスをします。

 社長も営業もCFOも目的は同じ、企業価値を向上させること、そのために、売上、利益目標の達成をすることです。外資系企業の利益目標は高く、その実現には、我々ファイナンス人材が事業に精通していて、適切なアドバイスをすることが不可欠です。ですから、マーケティングや営業だけでなく、ファイナンス部門の人材も成果主義で評価されることが多くなります。

 長く会社にいて周りの人を知っていることは、助けにはなりますが、成果を出す絶対的条件ではありません。中途入社の人、外国人、女性も、過去を知らないからこそ、違う視点を持っているからこその気づきがあり、それを活かすことによって、成果を出すことができるのです。

 外資系企業で働いてきた我々が、もっと日本企業の経営陣と話す機会を作り、グローバル化、女性管理職登用の促進ができる職場環境づくりのヒントをお伝えできればと思います。

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外資系リーダーが日本を変える

真のグローバル経営を経験してきたビジネス・リーダーが、日本社会・日本企業の多様性の欠如や視野狭窄、長期停滞などの課題に対し新たな視点での解決策を提案し、政治・経済・教育の各分野から日本社会に変革を起こしていくことをゴールとして活動する「GAISHIKEI LEADERS」。そのメンバーが、日本企業にとって最優先課題といえる「経営のグローバル化」について各自の経験と知見に基づき、グローバル規模の仕組みを理解し、日本のユニークな強みをそれと調和させた上で一層輝かせていくための新しい「グローバル経営論」を解説します。

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