私は、足元で続いているユーロ高が、重要な転換点を迎えつつあると思っています。
つまり、それは米ドル安の転換点でもあり、さらに、ユーロと同じく上昇が続いている金相場の転換点となる可能性があるのです。
今回は、それらが、2009年の「最後の円高」にどう影響するかについて、考えてみたいと思います。
最近のユーロは、2002年7月、
2006年5月と似ている
ユーロの値動きを見てみると、10月23日に1.50ドルという週末終値の高値をつけたものの、その後は先週まで、3週連続で高値を更新できていません。
これは経験的に、10月27日のレポートでも書いたように、ユーロ続伸相場から横ばいへの転換が始まっている可能性を示すものです(「ユーロの上昇相場は保ち合いに移行へ。ならば、米ドル/円もこのあたりで転換か?」 を参照)。
今回と同じように、数ヵ月にわたって「押し目」も作らずに続伸してきたユーロが、その後、半年も続くような横ばい(=高値保ち合い)に転換したケースは、2002年7月と2006年5月の2回ありました。
この2回は、ユーロ高からの転換ということだけではなく、米ドル安からの転換点にもなっていました。
これは少し考えれば、簡単にわかると思います。
米ドルに次ぐ主要通貨であるユーロに対しての米ドル相場は、米ドルそのものの評価とかなり近いものになります。従って、ユーロ高の転換点ということを裏返せば、米ドル安の転換点になるのは当然でしょう。
実際、米ドルの総合力を示す実効相場は、2002年7月と2006年5月に、当面の底を打っていました。
このことを考慮すれば、今回の場合も、米ドルの実効相場が当面の底を打ったか、もしくは、底を打ちつつあると思います。