今の「トクな働き方」が
ずっと続くわけではない

 3つの試算を一覧比較したのがグラフ(3)だ。

 世帯手取り収入が減少し始めてから回復する分岐点までの年収の幅は、「(3)妻扶養手当ゼロ」が最も長く、次に「(1)130万円の壁を超したら国民年金、国保に加入」、短いのは「(2)130万円の壁を越したら社会保険加入」という結果だ。

 現状では、パート主婦は、夫の会社から妻扶養手当をもらえる範囲内、かつ130万円の壁を越えずに働くのがトクだと言える。しかし、国は女性の労働力向上を目指し、配偶者控除の廃止を検討中だ。制度変更があると収入を抑えることが必ずしも得策ではないことを覚えておこう。

 (すぐに実現するとは考えにくいが)配偶者控除と配偶者特別控除が同時に廃止になると、「税務上の扶養の壁」はなくなる。次は、社会保険の第3号被保険者の縮小・廃止が議論の俎上に上るだろう。国としては保険料を払ってくれる人が増えるのは大歓迎のはずだ。「社会保険の扶養の壁」が、現在の130万円から100万円以下になる可能性は、決して低くないと思われる。

 将来、配偶者控除が廃止になると、そのタイミングで「妻の扶養手当」をなくす企業が出てくるかもしれない。国は、収入が少ない妻を守る制度が手厚いと女性の労働力向上が進まないという理由で配偶者控除を廃止するなら、福利厚生費を削減したい企業には手当廃止のチャンスが到来する。