中国人観光客のお土産
大量買いはどうして?

 ところで、5600億円分という圧倒的に巨額の買い物をしていく中国人観光客は、一体何を、どんな目的でどうやって購入するのでしょうか。

 観光庁の調査※4によると、カメラ、電化製品、服飾・化粧品などの定番高額商品に続き、最近では医薬品、健康グッズ、トイレタリーなどがよく売れているようです。都心の高級化粧品ブランドショップやドラッグストアに観光バスで乗り付けて、化粧品や医薬品を大量に買っていく中国人観光客の映像が時折テレビで流れますが、彼らに人気の化粧品や医薬品が免税になったことで、中国人観光客の売り上げ金額が急増しているそうです。

 14年10月17日、中国のネットメディア「捜狐」(ソウフ)で、「日本に行ったら買わねばならない12の医薬品」と題する記事が掲載されたとのことですが、中国の事情に詳しい人に言わせると、中国には、帰国後に家族や知人に渡すお土産を大切する習慣があり、しかも、来日前に何をお土産に買うかを決めているケースが多いため、このようなネット上の情報を頼りに同じ製品を大量買いするとのこと。

 ヨドバシカメラやマツモトキヨシ、ドンキホーテなどで、中国人観光客がお土産リストを店員に見せながらお目当ての商品を探している姿を目にするのは、こんな習慣も背景にあるようです。

 加えて中国では、ネットの情報の中でもとりわけソーシャルメディアへの信頼が厚いといわれており、企業の側からすると、中国人観光客に対していかに上質なクチコミをソーシャルメディアで広げてもらえるかが重要なポイントになります。

 実際、中国語対応のソーシャルリスニングツールを使って調べてみると、中国で多くの人に使われているミニブログ「新浪微博」(シナウェイボー)上にも、日本で自分が買った製品や、人からお土産にもらった物の書き込みがたくさん見られます。

 中国以外からやって来る外国人観光客にしても、少なからずネットで日本に関する情報を集めてから来日するわけですから、インバウンド消費戦略を考える際には、対象顧客が日本に関わるどんな情報に触れ、どんな行動を起こすのかをあらかじめ分析しておくことがが重要です。 

※4 観光庁「平成26年7-9月期 訪日外国人の消費動向」2014年10月31日発表