「あなたは人生というゲームのルールを知っていますか?」――そう語るのは、人気著者の山口周さん。20年以上コンサルティング業界に身を置き、そこで企業に対して使ってきた経営戦略を、意識的に自身の人生にも応用してきました。その内容をまとめたのが、『人生の経営戦略——自分の人生を自分で考えて生きるための戦略コンセプト20』。「仕事ばかりでプライベートが悲惨な状態…」「40代で中年の危機にぶつかった…」「自分には欠点だらけで自分に自信が持てない…」こうした人生のさまざまな問題に「経営学」で合理的に答えを出す、まったく新しい生き方の本です。この記事では、本書より一部を抜粋・編集します。

1つのことで「超一流」になるより「ユニークな組み合わせ」を考える
本書では経営戦略のひとつである「ブルー・オーシャン戦略」を人生に応用すること提案しています。
その場合、重要なのは「独自の交差点を作る」ことです。
独自の存在感を放っている人を振り返ってみると、決して「ひとつのことを極めた超一流」というわけではありません。その「立ち位置」は、他の誰が立つこともできない、「ユニークな組み合わせ」で成り立っていることが多いのです。
では、どうやって「ユニークな組み合わせ」をつくればいいのでしょうか?
着目するべきなのは「ずっと好きでやってきたこと」です。なぜかというと「他人にとって簡単に模倣のできないこと」、「他人が簡単に獲得できない知識やスキルや感性」というのは、「大量の時間資本を投下しなければ獲得できないこと」と同義だからです。
これはつまり、その人が好きでずっとやってきたことの中にこそ、組み合わせを考える鍵があるということです。
スティーブ・ジョブズは、スタンフォード大学の卒業生に向けたスピーチで「点をつなげよう=Connecting the dots」というメッセージを送りました。
ジョブズは「未来を見通すことはできない。人生を作り上げていくためには、過去を活かしていくしかない」というエールを送ったのです。その人ならではの居場所を考えるヒントは、自分の過去の人生の中にあるということです。
そしてまた、過去をつなぎ合わせて作り上げていく未来が、また過去に新しい意味合いを与えることになります。その積み重ねが、最終的に「人生の意味合い」を形作っていくことになるのでしょう。