列車の旅には欠かせない車内販売がいま、変革期に突入しようとしている。
先日、JR東日本はダイヤ改正のある3月14日より、東北新幹線「なすの」と上越新幹線「たにがわ」、山形新幹線「つばさ」の山形~新庄間、在来線では特急「成田エクスプレス」での車内販売の終了を発表した。
またすでにJR東海は在来線や新幹線「こだま」、JR九州は特急「にちりん」「にちりんシーガイヤ」「きりしま」、JR西日本も「サンダーバード」「しらさぎ」での車内販売を終了。車内販売を終了する路線が続出している。駅売店での商品ライナップの充実などもあり、年々売上が減少し、短距離路線を中心に採算が取れていなかったようだ。
そんななか、この流れとは逆行する攻めの車内販売商品が2月26日発売になった。それが史上初めて女性をターゲットに据えた車内販売商品ブランド「ラララ♪トレイン・カフェ」による2種類のデリ(各600円・税込)だ。
「ラララ♪トレイン・カフェ」は、JR東日本が列車内の飲食を楽しんでもらおうと車内販売限定で誕生させた新ブランド。第一弾では、薬膳アテンダントの池田陽子さんの監修の下、美容と健康を意識した2種類のデリを発売するという。
最近、女性の間でも「○○鉄」と呼ばれる様々な種類の鉄道マニアが増加中だが、今回の発売にあたり同社は「列車内で購入したものを列車内で飲食し、旅や移動を楽しむこと」を“食べ鉄”と銘打った。東北新幹線はやぶさを中心とした列車限定でしか購入できないとあって、鉄道ファンにとっても必食の商品になりそうだ。
「乾きもの、さきイカはニオイが…」
出張帰りに飲みたい女性客に朗報
今回の商品を企画したのは、JR東日本の社員3名を含む計8人。すべて女性というのもこの「ラララ♪トレイン・カフェ」の注目すべき点だろう。
平日の出張帰りの新幹線の中では、サラリーマンが缶ビール片手に車内販売でさきイカなどの乾きものを買って食べている姿をよく見かける。最近では男性のみならず、出張をする女性も増えたが、女性がビールのお供に乾きものを買うのは戸惑うことも少なくないだろう。おやじ臭いところか、実際にさきイカなどのニオイは車両に蔓延するからだ。