観光客を呼び込まなきゃ!
そして同時に、(2)「外国のみなさんに日本に来てもらう」作戦も大切ですね。外国人を日本に呼び込んで、日本でたくさん商品を買ってもらおうとしています。要は「観光客を増やそう!」ということですね。
日本は、2001年の小泉政権時代から、外国人観光客をもっと呼ぼう!とがんばっています。訪日外国人旅行者の数は、ここ数年で850万人前後、2013年には初めて1000万人を突破、2014年には年間1300万人を超えました。
1300万人も日本に観光に来てるってこと? すごいじゃん!
そうですね、たくさんの人が日本に遊びに来てくれています。ただ、以下の数字のように世界と比較すると、「もっともっと来てほしい!」という思いがします。
■世界の観光客数(2013年)
1位:フランス 8500万人
2位:アメリカ 6976万人
3位:スペイン 6066万人
4位:中国 5568万人
5位:イタリア 4770万人
6位:トルコ 3779万人
7位:ドイツ 3145万人
8位:イギリス 3116万人
9位:ロシア 2835万人
10位:タイ 2654万人
・・・・・・・・・・・・・・
30位:日本 1038万人
日本は、フランスの8分の1、イタリアの約4分の1です。そして、タイにも大差をつけられて負けているのです。どこもそれぞれ、いい観光地を持っています。ですが、これほど負けているのはちょっと納得がいきません。
日本って、そんなに魅力がない国なのかなぁ?
いえ、決してそうではありません。観光庁の調査によれば、日本に旅行に来た人の満足度は非常に高いです(「大変満足」44.7%、「満足」46.4%で、合計約9割が満足!)。また、「10回以上リピートで日本に来ている人が、全体の10%もいる」という統計もあります。一度来たら、満足し、また来たくなる。日本は、そんな素晴らしい観光国なのです。
へぇ? 知らなかった!
このことを世界中にアピールできれば、もっと日本に遊びに来てくれるでしょう。2020年の東京オリンピックは、そんな日本を全世界にアピールする絶好のチャンスです。オリンピックをきっかけに、日本に興味を持ってもらい、世界中から観光客を呼び込むチャンスですね。
どんなことをアピールすればいいんだろう?
外国人旅行者が興味を持っているのは、
●「日本食を食べること」53.3%
●「温泉入浴」46.9%
●「ショッピング」40.1%
などです。
これらを起点に日本を紹介し、日本を経験してもらうのがいいでしょう。また、日本に来た旅行者は、1人あたり平均約15万円のお金を日本に落とします。
単純計算で、旅行者が1万人増えれば、15億円、10万人増えれば150億円、1000万人増やすことができれば1.5兆円のお金が日本経済に落ちることになります。
そんなに増えるかなぁ?
ようやく1300万人に達したところですから、もちろん簡単に「さらに1000万人増加!」が達成できるわけではありません。しかし、フランスが8500万人、イタリアが4770万人、タイが2654万人であることを思い出してください。まだまだ“伸びしろ”はあるはずです。