かなり深刻な中国経済の実態
成長率は3~4%との見方も

「正直言って、7%台の成長を維持しているとは考えにくい」

 最近、中国から帰国した商社の営業担当者の言葉だ。彼が中国で実際に営業活動をしてみると、現場で感じる景気は7%台の成長を実感することができなかったという。

 経済専門家の間でも、それと同様の感覚を持つ向きは少なくない。元々、中国政府が発表する経済指標に関しては信頼性が低いとの指摘は多かった。そのため、経済状況を独自の視点から分析する専門家が多い。

 特にGDPの成長率に関しては、主に中国国内の電力消費量や、鉄道輸送量などを参考にして中国経済の状況を判断する専門家が多い。昨年の電力消費量の増加率は、前年対比+3.8%台に低下している。

 また、鉄道輸送量は前年対比でマイナスと見られる。それらの数字から浮かび上がる景況感はかなり落ち込んでいる。一部の専門家からは、「中国の成長率は公表数字の半分程度の3%から4%台だろう」との見方もある。

 そうした急減速の背景には、中国経済の構造改革が進んでいないことがある。中国政府は、従来の輸出と投資に大きく依存する経済構造を、国内消費主導型の安定成長へとモデルチェンジすることを目指してきた。

 ところが個人消費は期待されたほど伸びず、結果として、変動が大きい輸出や投資に依存する姿に大きな変化はない。しかも、ここへ来て、不動産価格の下落に伴い不動産部門の低迷が続いている。

 不動産部門の低迷は、開発を行ってきた地方政府の財政状況を悪化させることにつながる。既に、一部の地方政府の財政破綻が懸念される状況に至っている。それによって、不良債権が大きく増加すると、中国の金融市場の波乱要因になる。そのインパクトは決して小さくはない。