法則5 できない社員には、できるための支援を
私には、15年近く会社の経営者やアドバイザーを務めてきた経験から培われた、揺るぎないひとつの信念があります。それは「できない人間はいない」ということです。
そもそも、人間ができること(=可能性)にはそれほど個人差はないと思っています。たしかに、英語が話せるとか、専門技術を持っているとか、創造力や決断力に優れているとか、個々のスキルはさまざまな要素で構成されています。ただ、それらの要素は仕事をするためのパーツに過ぎません。
仕事をするうえでもっとも大切なのは、目的意識や問題意識があり、目的の達成や問題の解決のために何が必要かを考えて、その必要なことを一つひとつ着実に実行に移すことができる気持ちの部分です。
そのための資質は、人間だれもが持っています。目的達成や問題解決に向かっていく気持ちさえ十分にあれば、パーツはあとからどれだけでも身につけられます。
問題は、そんな気持ちのスイッチを入れられるかどうか。どんな環境にあっても自分でスイッチを入れることができれば、それに越したことはありません。しかし、すべての人がそのようにできるわけではなく、やはり周りからの支援は不可欠です。的確な支援ができれば、人はたちまち「できる」ようになります。
法則6 何かを始めたら、何かをやめる
いま、日本の多くの会社が「集団皿回し」状態に陥っています。集団皿回しとは、情報端末やインターネット環境などの情報技術の急激な進化と普及に伴い、あらゆる組織に蔓延した『病』です。