今回から2回に分けて「自発的に動く社員を育てる7つの法則」について、お話ししていきたいと思います。
法則1 社員を動かそうと思ってはいけない
いきなり、この法則1をご覧になって、戸惑われた方もいるのではないでしょうか。
本連載のテーマは「自発的な社員を育てること」「社員の力を最大限に活用すること」です。にもかかわらず、それがいきなり「社員を動かそうと思ってはいけない」ですから。
社員に自発的に動いてもらおうと思ったら、社長はまず何よりも「社員を動かそうと思わないこと」から始めなければならないのです。
なぜなら「社員はそもそも、社長の思いどおりには動かない」からです。まず何よりもこの現実をしっかりと認識しなければなりません。どれだけ社長が動かそうと思っても、社員は「動かない」ものなのです。
そもそも、自発的に動く社員であれば、社長が指示をしたり、ダメ出しをする前に、自ら考えて何らかのアクションを起こしているはずです。さらに言えば、あなたの会社に入ったりはせず、自分で事業を起こしているのではないでしょうか。「指示を与えて、何とか社員を動かさなければ」などと社長のあなたが考えている時点で、その社員は「動かない」のです。
社員たちが思いどおりに動かず、事業がうまく回らなかったり、業績が伸び悩んでいても、社長は「自分が社員を動かそう」とは思わないでください。そもそも動かない社員たちを、何とかして動かそうとするから、社長は空回りをしてしまうのです。
社員は、社長の思いどおりには動かない。この認識を持つことが、会社再生の出発点になります。