食物繊維に求められるのは
便秘解消の機能だけ?

 食物繊維入り食品は、日本における機能性食品の先駆けであり、1980年代後半から90年代初頭にかけて一世を風靡しました。

 その代表格が、「お腹の調子を整える」特定保健用食品として、大手製薬会社から発売された食物繊維配合飲料です。毎日の食生活で不足しがちな食物繊維を手軽に摂取できることや、容器デザインのスマートさなども受け容れられ、女性を中心に大ヒット商品となったのです。

 その後、競合他社もこのカテゴリに続々と参入し、日本中で食物繊維ブームが起こります。しかし、90年代後半以降、さまざまな機能性食品が新しく登場する中で、食物繊維製品のカテゴリ全体の成長がぴたりと止まってしまいました。

 そこで私たちは、2003年、食物繊維市場の再活性化へのプロジェクトをスタートさせるべく、まずは徹底的な調査を行いました。

 結果として分かったのは、「食物繊維」という言葉を知らない人はほとんどいないことです。この調査でも、実に97%もの人が「知っている」と回答しています。また、「便秘解消でお腹の調子を整える」という機能についても、90%以上の人が認知していました。

 しかし、それでも売れない。これが紛れもない事実なのです。そこで、新たな仮説を立てて検証してみることにしました。その仮説とは、「食物繊維の効果・効能に大きな誤解があるのではないか」「実際には、食物繊維の便秘予防に対するニーズがそれほど高くないのではないか」というものです。

 最初に、若い女性を対象にグループインタビューを試みました。すると、70%の人が「自分は便秘でもないし、食物繊維も不要だ」と答えたのです。

 一方、便秘だと答えた人でも、10%の人は「非常に症状が重いので、食物繊維では効果が得られない」と考え、服薬したり、定期的にマッサージを受けたりしていると教えてくれました。 つまり、食物繊維に対して「便秘解消効果」を期待していたのはごく一握りの人だけだったのです。

 にもかかわらず、広告やその他のプロモーションなどで「便秘解消効果」ばかりを訴求してきたわけですから、これでは売れるはずがありません。便秘解消以外の効果に関する新しいストーリーを組み立てていく必要性が生まれました。