細かい指示よりメンバーを信頼する
「船頭」と「しかられる経営者」
林:僕らはフラットな組織なので、サイトの立上げメンバーが2年目の若手メンバーから叱られることもあります。立上げメンバーは今はマネジメントを担う立場ではあるけれど、「管理」よりも「次」のビジョンやコンセプトを作っていくことが仕事。普通は不動産の営業だと上が下の尻を叩くのが普通ですが、僕らマネジメントのメンバーは基本的に「指示」は出さない。アドバイスはするけれど、叱る、叱られるの関係ではないんですよね。
でもそれは、僕らがメンバーを信用していることが前提にある。それぞれが強いプロ意識を持って「やりたいこと」に一生懸命だからこそ、フラットでいられるんだと思います。ちなみに、糸井さんは叱ることはあるんですか?
篠田:「昔、厳しく叱られた」というエピソードは聞きますが、今はそういうことはないです。ただ「アイデアが足りない!」「それ、おもしろいの?」と言われるときは、危機感を持ちます。雰囲気はにこやかだし、気を使って冗談交じりには言ってくれたり……,「こういうのをやったら?」など、救いの手は出してくれるんですが。
奥野:自分たちが本当にいいと思っていることを止めることはあまりないんですが、自分でも考えが足りないな、駄目かもしれないなと薄々感じているようなときには、すぐにバレます。
篠田:でも、東京R不動産同様に、個々のメンバーに対する信頼も強いので、「動機があって十分に考えたならとOK」ということもままあります。「やりたい」と思うそのモチベーションを大事にしている。ほぼ日のコンテンツ「unusual(変わってる)」にもありますが、会社というものは、船に似ていて、トップの人間はあくまでも船頭。乗組員それぞれが、それぞれの役割を果たしていく中で、経営者として航海図を手に進むべき道を考えて行く船頭なんですよね。
林:やっぱり、上から指示を出してこうしなさい、という組織ではないんですね。その辺も僕らと少し近いところがありますね。