Amazonの「ほしい物リスト」を援用し、2万4000個の物資を被災地へ届けたり、自立支援の一環である「重機免許取得プロジェクト」で計200人以上の重機免許取得者を出したりと、誰も思いつかないアイディアを次々実行。糸井重里氏も驚く成果をあげている一人の学者がいる。西條剛央(37)、ボランティア経験なしの早大大学院(MBA)専任講師だ。日本最大級の支援組織「ふんばろう東日本支援プロジェクト」代表として、行政や日本赤十字社もできない支援を行っている。猪瀬直樹東京都副知事、柿沢未途衆議院議員から、GACKT氏、宮本亜門氏、市村正親氏、大竹しのぶ氏、木村佳乃氏、佐藤隆太氏、成宮寛貴氏、藤原紀香氏、別所哲也氏、松田美由紀氏、南果歩氏、森公美子氏、森山未來氏など、事務所の垣根を越え、有名人からも続々支援の手が差し伸べられているのはなぜか。『人を助けるすんごい仕組み』を刊行したばかりの著者に、その秘密を明かしてもらう連載が本日からスタート! 第1回目は、知られざるGACKT氏からAmazonまでの支援の舞台裏を探る。

──事務所や倉庫の設備費や1円の人件費もかけることなく、日本最大級のボランティア組織をつくられた西條さんに、その秘訣をお聞きしていきたいと思っています。どういった支援をされてきたのでしょうか?

西條 物資支援プロジェクトだけで、3000か所以上の避難所や個人避難宅、仮設住宅まで支援を広げて、3万5000回以上、15万5000品目に及ぶ物資支援を実現しました。また、「家電プロジェクト」では行政や日本赤十字社の支援が受けられない個人避難宅をはじめとして2万5000世帯以上に家電を送ることができました。その他にも20以上のプロジェクトや支部を立ち上げました。スタッフはフェイスブックに登録されているだけで2000名ほどでしょうか。

──本来政府や日本赤十字社がやるような規模のすごい支援ですね。これほど広まることは予想していましたか?

西條 全国に「自分にできることがないだろうか」と思っている人はたくさんいると確信していましたが、まさかここまでとは思いませんでした。

──なぜそれほど広がったのでしょうか。

西條  まず、遠方からでも誰でも参加できる仕組みをつくったから、というのがあると思います。それと立ち上げてまもなくは、とにかくツイッターの力が大きかったですね。ツイッターのリツイートランキングで2位、3位を何十回も取りましたし、津田大介さん、岩上安身さん、GACKTさん、といったツイッターで10万単位のフォロワーのいる方々が広めてくださいました。