世界的に株高となっています。私は、目先はともかく、基本的にこの動きがこの先も続くと思っています。問題は、株高を前提とした場合の為替の動きで、これからはドル安になると思っています。
その上で、本当の問題は、円と米ドルが同じ方向に振れやすいために、米ドル/円においてはドル安・円高がそれほど進まないのではないかということです。
しかし、実際には、円と米ドルがいつも同じ方向に動いていたわけではありません。このことを再認識する必要があるのではないでしょうか?
まずは、株価についてです。株高の行方を考える上で、今週末、つまり7月31日(金)の終値は1つ重要な意味を持ちそうです。注目数字、「マジックナンバー」は日経平均9958円です。
ご存知の方も多いかもしれませんが、日経平均は3月から6月まで4ヵ月連続で陽線引け(株高)となってきました。ある株式ストラテジストの調査によると、弱気相場の中で、それと逆行する株高が5ヵ月以上続いたことは基本的にないそうです。
その意味では、7月も陽線引けとなったら、経験的には弱気から強気への転換が確認されることになります。
前述の「マジックナンバー」である日経平均9958円は6月末の終値です。つまり、7月末の終値がこれを上回るか、下回るかで、月足が陽線(株高)か陰線(株安)かが決まるのです。
そして、3月で日経平均が大底を打ったのか、まだ底を打っていないのかが最終確認できるのです。
株式市場の強気相場は
2012年まで続く?
ところで、日経平均が5ヵ月連続で陽線引けとなり、3月が大底だったことを確認しても、もう半年近くも経っているのだから意味がないという人がいるかもしれません。しかし、そんなことはないと思います。
前出の有力株式ストラテジストによると、強気相場の平均持続期間は3年、最短でも10ヵ月とされているそうです。ということは、3月からの強気相場は、最短でも年末まで続くし、基本的には2012年にかけて続く可能性があるということになります。
もしも、7月31日(金)の日経平均終値が「マジックナンバー」を下回り、陽線引けが4ヵ月連続で一段落したとしても、それで弱気相場が終わっていないということにはならず、強気相場への転換が最終確認できないといった意味でしかありません。
最近にかけて米ナスダック指数が12連騰しているところを見ても、他の状況証拠からすると、強気転換の可能性が有力だと思っています。
さて、そのような株価について、行き過ぎをチェックする短期、長期移動平均との関係を見てみましょう。
まずは、短期の行き過ぎについて確認します。
90日移動平均線との関係を見ると、日経平均は一時、90日移動平均線を20%近くも上回っていたことがわかります。過去30年間で、日経平均が90日移動平均線を20%以上も上回ったことはなかったので、これは短期的な上がり過ぎを示していたと言えるでしょう。
ところで、90日移動平均線のルールとして、短期の行き過ぎは長期トレンドと原則的に逆行しないというものがあります(「ドル高・円安はまだ続くのか? それを確認するとっておきの方法」を参照)。
その意味では、短期上がり過ぎが発生したということは、長期で見ると日経平均が大底を打ち、強気に転換した可能性をうかがわせます。
それでは続いて、長期の行き過ぎについて確認します。5年移動平均線との関係を見てみましょう。