価格差の違いをハッキリと打ち出せるか
(2)“価格帯”もポイントです。
売りものの価格帯(レンジ)が一つしかなければ、顧客は選ぶ手間が省けて便利です。これで成功したのがQBハウスです。
しかし「他のは、ないの?」となるかもしれません。反対に、良かれと思って顧客にたくさんの価格帯を提示しても「こんなにあると、かえって選べない…」となるかもしれませんし、低価格志向の顧客には「こっちの安い方でいいかな…」となってしまうかもしれません。
価格設定は、非常に難しい経営課題なのです。
(3)の松竹梅は、ウナギ店で考えればわかるでしょう。松は2尾、竹は1尾、梅は半尾、このように見た目にもはっきりしていれば顧客は“価格差”に納得します。
しかし、現実には明確でない場合もあります。不漁続きでウナギの仕入値は高くなる一方ですが、だからといって顧客に何の説明もなく値上げしたり、ウナギのボリュームを少なくしたりでは、「顧客の信頼」を裏切ることになるので注意が必要です。
これら(1)~(3)に共通して言えるのは、販売価格の説明があいまい、という点です。どうしてこの価格になるのか、顧客の立場になって説明する義務もあるわけです。これができれば、一品単価の低下を防止できるどころか、高めることすら可能です。
※次回は、7月30日(木)に掲載します。