スターバックスコーヒー、イケア、セブン&アイ・ホールディングス、楽天、星野リゾート、俺のイタリアン、LINE……。売上や利益で2番手以下を大きくぶっちぎり、ダントツな経営ができている会社がある一方で、赤字決算が常態化し、そこから脱却できない会社も無数に存在します。その両者を分けるものとは一体何なのか? 3000社の決算書を分析してきた会計士が、一流の経営者たちが大事にする「数字」の極意を解き明かし、経営を強くする秘訣を提示します。
経営を強くする「数字の極意」とは
世の中には、売上や利益で2番手以下を大きくぶっちぎり、ダントツな経営ができている会社があります。イケア、スターバックスコーヒー、セブン&アイ・ホールディングスなどがその代表格といえるでしょう。
一方、赤字決算が常態化し、経営難に陥っている組織も、無数に存在します。これら両者を分ける要因とは、一体何なのでしょうか?
本連載では、その理由を会計的な視点から分析し、その秘密を明らかにし、あなたのビジネスに役立てていただけるヒントを提供でれきればと思います。
経営の基礎言語である「会計」の本質を理解いただけるよう、わかりやすく解説していきます。この機会に、経営管理(マネジメント)に必要な「数字」の理解を、ぜひ深めてください。
筆者は20年以上、経営支援や不正調査、株式公開や事業再生、監査や税務等の「数字」を使った業務を通じ、延べ3000社ほどの決算書を分析してきました。
そこでわかったことは、経営を強くするための「数字の極意」があるという事実です。一流の経営者と言われる人たちほど、自社にかかわる数字を、日ごろからよく観ています。
同業他社をぶっちぎる彼らは、自社にとって大切な数字は何かを肌身で知っています。日々の売上や利益などの財務データや、その裏に隠された非財務データなどを駆使し、数字を自社の経営指標としてフルに活用し、日々挑戦しています。
彼らは、数字を観て、何か異常を感じたら、すぐに対策を考え、手を打ちます。だから、強い経営、ダントツな経営ができるのです。