森辺 ただ、日本企業が新興国ビジネスのスピードを上げていくためには、経営の意思決定という面での課題もあります。一般的に、日本の上場企業の経営戦略はだいたい3年ぐらいの事業計画がベースになっており、投資回収もそのなかで求められることが大半です。社長の任期が3-5年ぐらいだとすると、自分の任期中にできるだけ早く収益を上げたいと思うのは経営者であれば当然のこと。しかし、アフリカのような新興国ビジネスは長期的な投資が必要となり、本当に成果が出てくるのは10年ぐらい先となることもしばしば。だから経営者が冒険したがらない、という側面はあります。

 一方、先進グローバル企業はものすごく長期的に新興国ビジネスを見ているので、投資の決断も早い。こうした「視点の差」も、やはり日本企業とグローバル企業の差を広げている一因でもあります。

米倉 社長というポストが“守り”のポストになっているとしたら、それはちょっと問題ですね。さらに社長の上に会長、顧問というポストも待っていたりすると、可もなく不可もなくやりたい、という心理も働くでしょう。だからその点では、ステイクホルダーである株主も、もっと長期的に会社を評価することが必要でしょう。アメリカなどでは、良い経営者と言われる人は、短期間でポストを降りたりせず、長期的に頑張っていますからね。

>>後編は、明日9/2(水)公開予定です。