常に機嫌よくいたい
和田 林さんは存在自体が面白いというか、一緒にいるだけで笑ってしまうのですが、起きてから寝るまで、ずっと笑いのスイッチが入っているのですか?
林 きっと、そうなのでしょうね。本にも書きましたが、機嫌よくいたいと思っているし、常に「なんかネタないかな」って探しているし。
和田 そういうセンスって、人生を楽しくするし、常に上機嫌な状態でいられるのは素晴らしいことですね。林さんは悪いニュースとか見ないようにしているんでしょう?
林 ニュース番組はよく見ますけど、あんまり感想を持たないようにしていますね。
和田 俯瞰して見るということなのでしょうね。林さんの記事を読んだりお話を聞いていると、鬱々としているのがばからしくなってくると思うんですよ。すごく悩んでいるときに、「元気出して」と勇気づけられても全く響かないことがありますよね。それが、林さんの記事を読んでガハハと笑っているだけで、「なんかあほらしい、悩むのやーめた!」ってなりそう(笑)。
林 それすごくいいですねえ。そうなったら最高だな。『デイリーポータルZ』を通して、「真面目じゃなくてもアリだぞ」ってなんとなく伝わればいいなと思っているので。
和田 読者層はどういう人たちになるのですか?
林 全体の55%が女性です。会社員が多いですね。
和田 ほら! ビジネスパーソンはみんな笑いたいのですよ。
林 11時と16時に更新されるので、お昼休みや休憩時に見てくださっているようです。
和田 「会社かったりぃ~」とか思ってるときにこのサイトを見て、気持ちが軽くなって、「午後からまた頑張ろう」となるのでしょうね。
林 うん。それぐらいの感じでいいと思います。
和田 せっかく良い話をしているのに、最後の1行で落とすところが好きです。たとえば、過去の話を書いたあとに、「“私が若いころ”的なことを書いてしまった」とか。このノリってすごく関西人っぽいよね。
林 はは。僕は生まれも育ちも東京ですけど。
和田 「俺、格好いいでしょ?」って言ったあとに、「実はこうなのだけどね。なんでこんなことやっちゃうんだろう……」という感じ。笑いの原点だと思います。