10月29日(木)にセミナー開催が決定した『絶対儲かる「値上げ」のしくみ、教えます』。会社が儲かる体質に変わる4つのステップのうち、「値段を上げる」「客層を変える」について、お話してきました。さらに、値段を上げるには、「情報を加える」ことです。連載第4回では、2つの事例を紹介します。読後、どのように感じるでしょうか。答えは自ずと見えてくるはずです。

10月29日(木)、東京・目白で1日限りのセミナー開催決定!

壺は変わっていないのに、
価値という情報が付加したことで、床の間行きに!

 価格を決める価値とはいったい何か。

 私が「価値」について解説をする時に必ず事例に出すのが、「開運!なんでも鑑定団」(テレビ東京)というTV番組での事例です。

 番組の中に出張鑑定という人気コーナーがあります。鑑定依頼者が自信の品の数々を持ってきて、プロが見たらまったくの偽物だったり、驚くほどの値段がついたりして依頼者が一喜一憂するのを楽しみながら、視聴者は見ています。私は、この番組の中に「消費の本質」や「モノの値段はどう決まるのか」が、よく見て取れると思うのです。

 たとえば、ある回で玄関に置いて傘入れとして使っていた大きな壺を鑑定に持ってきた方がいました。鑑定にかけた結果、なんと江戸時代の名工の作で250万円という値段がついてしまいました。

 その大きな壺は床の間へと移動、それまで子どもの遊び道具だったのが、今では座布団の上に鎮座して絶対に触るなと言われているそうです。

 ここで大切なことは、壺自体はまったく変わっていないのに、江戸時代の名工が作ったという情報=「価値ある情報」が加わった結果、その壺に価値が発生して大切にされるようになったということです。

 実は企業や店舗が提供している商品やサービスも、消費者からはこの壺とまったく同じように見えています。

 そうです。

同じ商品やサービスが、その価値を知っている人には高価に、価値を知らない人にとってはまったく無価値に見えているということです。

 これが、価値を情報として商品やサービスに付加することが「価格設定において最重要の項目」である理由です。