「休養日」「絶対休養日」の
レベル高低をつける
陰山 そんなふうに考えられるようになったのは50を過ぎてからですね。40代で陰山メソッドが広く知られるようになってテレビに出始めた頃は、無我夢中だったから休みがなくても全然疲れませんでした。それがある程度ひと段落すると、あーしんどい! となる。
和田 うんうん。そのときは忙し過ぎてご家族ともあまり過ごせていなかったのですか?
現在は、立命館大学 教育開発推進機構 教授(立命館小学校 校長顧問 兼任)。過去には、文部科学省・中央教育審議会 教育課程部会委員、大阪府教育委員会委員長にも就任。主な著書に、『学力は1年で伸びる! 』(朝日新聞出版)、『若き教師のための授業学』(日本標準)、『本当の学力をつける本』(文春文庫)、『陰山メソッド たったこれだけプリント』(小学館)ほか多数。
陰山 そうですね。無理をすれば身体を壊すし、家庭も壊れていくのがわかっていたけど、そうせざるを得ない状況が続きました。これではまずい、と。どうすれば脱却できるのかを考え、手帳に休日から書くことを思いついたのです。
和田 休みというと、家族旅行のために一週間くらいでしょうか?
陰山 いえ、1日~2日のものです。
和田 そんな短期間でもあえて休みをとるのですね。
陰山 だって朝起きたときに「今日はどこにも行かなくていい」と思ったらスッキリしませんか?
和田 ワクワクしますね。
陰山 それが3日も続けば、人生もう春だろう! みたいな。
和田 春ですね(笑)。
陰山 それをしないで、仕方なく午前中だけ予定を入れたり、2時間だけ打ち合わせを入れると、それだけで重たく感じるでしょう。
和田 特に女子は1つアポがあるだけで、ヘアメイクやら服やら準備に時間をとられますからね。何も無い日はスッピンにジャージ姿で犬の散歩ができるからすべてが楽チンです。休みってやっぱりありがたいわ!
陰山 ですから誰にも邪魔されないように、何より先に休みを決めておくのですよ。
和田 それをスタッフの方と共有するのですか?
陰山 はい。一応レベルを設けていて、「休養日」はどうしてもという案件があれば仕事を入れることもあります。「絶対休養日」は、僕もスタッフもそっとしておくようにしています(笑)。
和田 え、絶対に? もし総理大臣に呼ばれたら?
陰山 それは……行くでしょうね。だって人生の一大事じゃないですか!
和田 ははは、そりゃそうか。