上司の「目的」を考える

 まず、二人で腰を据えて話す場所に行く前に、最初にしておきたいのは、今回上司が自分を誘ってきた「意味」を考えるということです。
 ただ、親睦を深めたいと思っているのか、何か頼みごとがあるのか、上司の意向や会社の方針を伝えたいと思っているのか、はたまた、自分から何かを引き出したいと思っているのか。
 声をかけてきた時のタイミングや、会社の環境などを鑑みて、一番の「目的」を自分なりに探ってみます。その「目的」にあった回答や振る舞いをするよう心がけることによって、この後の二人だけの時間を効率的に、効果的に使うことができます。

自分の「目的」をつくる

 上司の「目的」がわかったら、今度はあえて自分自身の「目的」を考えてみましょう。それは、上司の「目的」に沿うものでなくても構いません。たとえば、上司にもっと自分のやる気を伝えてみたい、普段から抱えている仕事の悩みを聞いてもらいたい、今後も目をかけてもらえるよう好感を持ってもらいたい、なんでもよいのです。
 この自分の「目的」をつくることで、受動的なコミュニケーションから、より主体的、能動的なコミュニケーションになるはずです。

聞き役に徹する

 自身の「目的」を明らかにしたからといって、それを果たすために自身をアピールしすぎたり、自分のことだけを話すというのは大変勿体ない行為です。なぜなら、確かにあなた自身のことは相手に知ってもらえるかもしれませんが、あなたよりもビジネス経験も仕事上の知識も高い人にとって、一聞には値するかもしれない内容であっても、長い時間を割いて聞き入ってもらうというのは難しいし、相手も苦痛でしょう。
 また、人は基本的に「自分の意見を聞いてもらいたい」と思うようです。
 ですから、まずは聞き役になって、相手に気持ち良く話してもらう。それによって、相手の満足度を高めてもらうのです。結果、あなたに対する印象もよいものに変わるはずです。