一つは睡眠の質の向上。特に寝入り端に効くようで、より早くより深いノンレム睡眠(熟睡)が得られるという。結果、起床時の疲労感が軽減され爽快感が増すとのことだ(「よく眠れた」のであれば、そのような実感につながるのは当たり前であるが)。「寝付きが悪くて……」という人には朗報かもしれない。

 もう一つは、“肌に効く”という面。同コーナーには、〈肌の水分を維持〉〈肌質を改善〉といったフレーズも並んでいる。具体的には、〈経表皮水分蒸散量の顕著な低下が有意に認められたことより皮膚バリアー機能の改善が認められた〉〈角層におけるIL-1ra/IL-1α比の顕著な低下が有意に見られることよりスキンケア効果(敏感肌改善効果)が認められた〉とある。

 後者の実験結果は、〈グリシン食品摂取期と非摂取期との比較〉によって得られているため、よく眠れたから肌にも良かったのか、睡眠の質の変化とは独立に効果が得られるのかは微妙なところであるが、常識的に考えれば、睡眠の質が良くなれば肌質も改善されるのは当たり前だろう。

 なお、いずれの実験も、〈就寝2時間前にグリシン3g〉を基準としている。直感的には、同じアミノ酸の一種である化学調味料(グルタミン酸ナトリウム)3gとなるとけっこうな量に思えるが、味はエビやカニに特徴的な旨味を伴った弱い甘味があり、水などと一緒に飲むのであれば苦痛になるようなことはなさそうだ。

これほど評価が分かれる
サプリメントは珍しいかも

 となると、あとは値段と効果の問題ということになる。amazonで販売されているグリシンサプリをざっと見ると、1回当たり5円前後から200円近くまでと、ビタミンCと同様にかなりの開きがある。また、レビューを眺めてみると……これほどまでに差が出るものなのだろうか、効果の程(使用実感)は両極端としか言いようがなく、けっきょくは自分で確かめてみるしかなさそうだ。

 と、ここまで読み進めてこられて、一つ気がついたことがあるかもしれない。〈コラーゲンの3分の1がグリシン〉ならば、日頃からコラーゲン質を(特に夕食時に)摂っていれば、きちんと消化できている限り、同様の効果を得られているのではないか? ひょっとすると――どんなサプリメントでもそうなのだろうが――効くも効かないも、日頃の食生活の違いに起因しているのかもしれない。

(吉田克己)