筆者は、この安保法制の国会論戦を通じて、野党各党が整理した考え方の違いを基に、「政策志向別野党再編」を行うのがいいと考える。民主党の集団的自衛権を「違憲」としているが、民主党内の保守系は、「合憲」と考える維新の党と協議できるだろう。「次世代の党」「日本を元気にする会」「新党改革」とも協議可能だが、この3党はむしろ自民党と合流したいかもしれない。

 一方、民主党の保守系と維新が協議に入れば、民主党内の「なにがなんでも反対」の勢力は、保守系と離れざるを得なくなる。安全保障以外の政策でも親和性がある社民党、生活の党とリベラル陣営を形成することになる。

 この政策別の野党再編は、「壊し屋・江田憲司」の出番ではないだろうか。江田氏が、民主党との政策協議を進めるならば、リベラル派が全くついて来られないくらい、ハードルを上げるのではないだろうか。そして、本来はリベラル派が出ていくよりも、むしろ民主党の保守系が勇気を持って離党し、野党再編の主導権を握るべきである(第65回)。そして、それは岡田代表の決断次第である。

岡田代表は、過去の失敗から学び
「政策別野党再編」という新たな道を切り開けるか

 岡田代表は、民主党結党時からの中心メンバーであり、現在民主党が置かれた難局を、すべて一度経験している。前回の代表時、小泉純一郎首相の「ポピュリスト的手法」に悩まされたこと、2005年の郵政解散総選挙で惨敗した後、大量の落選者の選挙区を1つ1つ回ったこと、民主党政権時、外相として普天間基地移設問題や沖縄返還の密約問題に取り組み、党幹事長として小沢一郎グループとの党内対立の前線に立ったこと、そして野田佳彦内閣の副総理として離党者を出しながら消費増税実現を取りまとめたことなどだ(第98回)。

 だが、過去の失敗から学び、新たな道を切り開けることもあるが、失敗を恐れるあまり、危機回避のみを考えて、何もできないということもあり得る。岡田代表は、「看板だけを変えてもダメだ」と、野党再編に慎重な姿勢だ。だが、成功も失敗も真正面から経験してきた岡田代表だからこそ、看板だけでない、中身も変える再編を実現することができるのではないだろうか。

◆◇◆筆者からのお知らせ◆◇◆

 この連載の安保法制に関する論稿(第115回・下など)を基に、Center for Strategic and International Studies(CSIS)のニュースレター「PacNet」に論考を出しました。ご笑覧ください。