音楽は好きですか?
なんのために、どうやって音楽を聴いていますか?
ほとんどの人は、気持ちを落ち着かせたり、盛り上げたりするために、自分がリラックスできる環境で気ままに聴いているのだろうと思います。歩きながらとか、電車に乗りながら、車を運転をしながら、食事をしながらという人もいるでしょう。
中には、「神経を集中させ、一音たりとも逃さずに聴こうとしている」という方もいるかもしれませんが、「(よし、音楽を聴くぞ! まずはイントロ、次にAメロ!)」なんて人には、僕は会ったことがありません。
もっと自然体に、音が自分の中に入ってくるのを「待っている」はずです。
実は『遅読家のための読書術』も、これと同じように「音楽を聴くように本が読める」状態をつくっていくことをゴールにしています。
音楽を「記憶しよう」とする人はいない
リラックスしてBGM的に聴き流しているとき、僕たちは細かいフレーズや旋律などを大量に「聴き逃して」います。
昔から聴き慣れた曲のはずなのに、あるとき急に「あれ、ここってこんな音が入っていたっけ?」と気づくことがあると思いますが、それは当然です。
耳に入ってきたすべてのメロディ、体が感じたあらゆるリズム、細部に盛り込まれた音、それらを全部まるごと記憶しようとしたところで、そんなことはまずできませんから。