スマホ、ネット、SNS……気が散るものだらけの世界で「本当にやりたいこと」を実現するには? タスクからタスクへと次々と飛び回っては結局何もできない毎日をやめて、「一度に1つの作業」を徹底する「一点集中」の世界へ。18言語で話題の世界的ロングセラーの新装版『一点集中術――限られた時間で次々とやりたいことを実現できる』より、特別に一部を紹介する。

ストレスで認知機能がうまく働かなくなる
競い合うように押し寄せる多数の刺激に身をさらしていると、脳が縮む。
前頭前野は過剰なストレスにつねにさらされていると、縮んでしまう。扁桃体も萎縮し、恐怖、攻撃、不安といったネガティブな感情が脳に氾濫する。すると脳の灰白質が縮み、認知機能がうまく働かなくなる。
多くの成果をあげようと頑張りすぎると、明晰な思考ができなくなるのだ。度を越した多忙な生活を続けていると、思考と感情をつかさどる脳組織の萎縮を招く。
MRI(磁気共鳴画像)を見ると、競い合うタスクのあいだで脳がもがいているようすがよくわかる。
仕事には「休憩」が必須なワケ
優先順位をつけることができない複数の要求にさらされると、脳は圧倒され、うまく機能しなくなる。
というのも、マルチタスクを試みると、情報処理能力を低下させるコルチゾール(別名ストレスホルモン)が分泌されるからだ。
するとストレスが生じ、脳のニューロン(神経細胞)が萎縮し、問題を解決したり、感情を調整したり、逆境に負けず立ちあがったり、衝動をコントロールしたりする能力が低下する。
だから、仕事をするときは、たくさんのことを同時にやろうとしてカリカリせず、定期的に休憩をとる必要があるのだ。
(本記事は、デボラ・ザック著『一点集中術――限られた時間で次々とやりたいことを実現できる』からの抜粋です)