逃げられないための工夫――その場で即採用

【中原】今回の調査で、アルバイトの15%が1ヵ月未満で辞めるというデータが出ました。さらに半年スパンで見ると5割が辞めます。これは実感としてはどうですか?

【B店長】会社としても定着率を話題にしていまして、うちの店に関しては1年間で辞める人は10パーセントと、数字としては悪くないですね。

【C店長】退職率はあまり考えたことがないんですが、半年で5割も辞めないと思います。1年経ったら学校を卒業しちゃう人もいるので、それを抜かしても、辞めるのは3~4割くらいでしょうか。

【中原】逆に「1ヵ月くらいで即辞め」という人はいます?

【C店長】いますね。1回来たあとシフトに来ないので電話したら「インフルエンザです」と言われたので、「治ったら来てね」って言ったらそのまま来なくなった(笑)。当時は私もバタバタしていたので、それもよくなかったのかな……。精神論ですが、店長としてのポジティブさを出していれば、人はもっと集まってくるんじゃないかなと反省しました。

【B店長】最近増えているのが、面接して採用してオリエンテーションの期間に「実はほかの店に受かったので辞めます」というケースです。聞いてみると、郊外より駅前に近い店に、そのケースがかなり多くなってきているようです。ですから、「この人なら大丈夫そうだ」と面接で判断した人は、その場で内定を出して、すぐオリエンテーションするようにしています。以前は採用・不採用の連絡は翌日にしていたんですが、今はほぼ当日で、いい人はその場で即答。「2、3社受けましたけど、時給がいいのでこっちにします」という人はけっこういます。

【中原】たしかに我々の調査でも、面接後に行かなくなるケースが相当数見受けられます。面接のあとには、すぐにコンタクトをとるなどの工夫が必要なのでしょうね。