社会保険料ってなんでこんなに高いの?」
「安くできる方法ってないの?」
「どんな時に、どんな給付がもらえるの?」
「細かい話はいいから、重要なことだけ知りたい!」


そんな社会保険にまつわる素朴な疑問や不満を、ストーリー形式で解決していく本連載。

第12回は、雇用保険がフォローしてくれる範囲を、一覧表でお伝えします。

(書籍『いちばんわかる! トクする! 社会保険の教科書』より抜粋)

交通費から失業保険まで

佐藤さん前回、飲み会の帰りでケガしても労災はおりないという衝撃的な話を聞いてショックが隠せません。

松島先生:いやいや、常識的に考えたらそうなるでしょ……。なんでもかんでも労災で落ちるわけじゃないんですよ。

佐藤さん:それにしても、社員の労災保険のことを熱心に聞いてる社長がいる会社って、何だか先行き不安だなあ……。

田中社長:参考までに聞いただけだ。

佐藤さん:僕も将来のことちゃんと考えなきゃなあ。でも、職探しするのもたいへんだし。

松島先生:大丈夫。会社員が失業したら、雇用保険からさまざまな給付があります。

田中社長:ちょっと、松島先生……。

 

 雇用保険は、労働者が失業して生活の糧を得る方法を失ったときに、生活と雇用の安定、就職の促進のために「失業等給付」が支給される保険です。

 失業等給付の内容は、次の表のようになっています。

 大きく分けて、職を求める人のための「求職者給付」、就職の促進のための「就職促進給付」、労働者が職業に関する教育訓練を受けた場合の「教育訓練給付」、雇用の継続が困難になる事態が生じた場合の「雇用継続給付」の4種類があります。

佐藤さん:スゴい量!でも、とても覚えられませんね……。

松島先生:いろんな給付があるので、ハローワークに行って聞くのが一番です。

 なお、雇用保険では失業等給付のほかに、失業の予防、雇用状態の改善、雇用機会の増大、労働者の能力開発などを図る事業があります。

 具体的には「雇用安定事業」と「能力開発事業」の2つがあり、「雇用保険2事業」と呼ばれているものです(※)。

※ 
雇用保険2事業…「雇用安定事業」「能力開発事業」として、求職者への就労支援・教育訓練、事業主への助成・支援が行われる。雇用保険2事業の保険料は全額事業主負担のため、雇用保険の保険料は労使折半でない。

(続く)

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