SNSにより採用情報は筒抜け状態に

熊谷 「我究館生」がサイバーエージェントさんのインターンシップから戻ってくると、期間の長短に関わらず「社員にたくさん会えた」と言っています。意図的に、多くの社員と触れ合えるよう機会を設けてくださっているのですか?

曽山 はい。内定者たちに話を聞くと、多い人だと20人以上に会っているようですね。それだけの人数に会えば、色んな角度から弊社について知ることができるのではないでしょうか。良いところも、未熟なところもすべて知ってほしいと思うからこそ、すべてさらけ出すようにしているんです。なかには、会社があまり言いたくないことや都合の悪いこともあるかもしれません。

熊谷 とても良いことだと思います。企業によっては、学生たちに錯覚を起こさせるインターンを行なっているところもありますから。その会社の花形の仕事を、さも入社してすぐに新人社員がチャレンジできる環境であるような見せ方をする、とか。曽山さんがおっしゃる通り、たくさんの人に会って話を聞いて「リアル」を知るべきだと私も思います。

曽山 就活生のネットワークの中で飛び交う情報量は、もはや誰も知りようがないほど膨大です。面接官の名前、各面接官の質問台詞、どんな回答したらどういう響きだったか、すべて筒抜けです。「バレる採用の時代」なのです。

以前、私が最終面接を担当していたときに、学生たちの緊張をほぐそうと思って、飴を出したことがあるんですよ。それぞれ好みもあるだろうから、いろんな種類の飴を買って、「お好きなのをどうぞ」と勧めました。何の他意もありません。すると、「○○の飴を選んだら落とされるぞ」「○○を選べば受かる」などの情報が出回っていたらしくて(笑)。

熊谷 そんなことってあるんですね(笑)。

曽山 内定者に教えてもらって、すぐに飴を配布するのをやめましたけど、そういう都市伝説のような話がまことしやかに飛び交っているわけです。企業側が真実を伝える努力を続けるしかないですよね。

熊谷 会社が悪気がなくて伝えていない情報もたくさんありますからね。そこは、曽山さんが言う通り、たくさんの人に会うことで解消されそうです。