ソフトバンクと長野県塩尻市がタッグを組んで、今年から新たなインターンシップ「地方創生インターン ~TURE-TECH~」を立ち上げる。
「地方創生×ICT」をテーマに掲げるというこのインターン。具体的にはどのようなプログラムなのか?そして大手企業と自治体がインターンシップで協働する理由とは?仕掛け人の源田泰之氏(ソフトバンク株式会社人事本部)と山田崇氏(長野県塩尻市企画政策部)を、6月に刊行された『絶対内定2018 インターンシップ』の著者・熊谷智宏氏が直撃した。(構成:前田浩弥、撮影:宇佐見利明)

塩尻市が抱える「5つの課題」を、学生の力で解決する


熊谷智宏(くまがい・ともひろ) 我究館館長。横浜国立大学を卒業後、(株)リクルートに入社。2009年、(株)ジャパンビジネスラボに参画。現在までに3000人を超える大学生や社会人のキャリアデザイン、就職や転職、キャリアチェンジのサポートをしてきた。難関企業への就・転職の成功だけなく、MBA留学、医学部編入、起業、資格取得のサポートなど、幅広い領域の支援で圧倒的な実績を出している。また、国内外の大学での講演や、執筆活動も積極的に行っている。著書に「絶対内定」シリーズがある。

熊谷 まず、今回立ち上げられた新たなインターンシップ「地方創生インターン ~TURE-TECH~」の全貌を教えてください。どのようなプログラムになるんですか?

塩尻市・山田 もともとの出会いは今年の1月から2月に実施した「MICHIKARAー地方創生協働リーダーシッププログラム」でした。ざっくり言うと、塩尻市が抱える、喫緊で解決しなければいけない「5つの課題」を、企業の社員の皆さんとともに解決しようというプログラムですね。実際に予算をつけて政策に反映するということを前提に、「5つの課題」への解決策を考えていただきました。「地方創生インターン~TUREーTECH~」は「MICHIKARA」の大学生版であり、大学生の関心興味があり、本領発揮できる次の5つの課題をテーマとして考えています。

=塩尻市が抱える「5つの課題」=

・テーマ【高齢化社会】
課題(1)予防医療への参加率を日本で最も高い市にする
・テーマ【観光】
課題(2)インバウンドイベントの効果検証を可視化する
課題(3)ワイナリーフェスタの若年層参加率の上昇
・テーマ【選挙】
課題(4)市で実施される選挙の投票率上昇
・テーマ【婚活】
課題(5)塩尻市役所への婚姻届提出数の上昇

山田崇(やまだ・たかし)塩尻市役所企画課シティプロモーション係 係長、空き家プロジェクトnanoda代表。1975年塩尻市生まれ。千葉大学工学部卒業。「地域の課題を想像でとらえるのではなく、実際に住んでみないと商店街の現状・課題はわからない」と空き家を活用したプロジェクト「nanoda(なのだ)」を2012年4月より開始。2014年「地域に飛び出す公務員アウォード2013」大賞を受賞。同年から実践型インターンシップのコーディネーターとして「ゴールドマンサックス中小企業経営革新プログラム」「地域ベンチャー留学(NPO法人ETIC.)」など中小企業の経営革新を大学生と推進するプログラムを企画。2015年11月「地域若者チャレンジ大賞北信越代表」として優秀賞を受賞。TEDトークでの動画「元ナンパ師の市職員が挑戦する、すごく真面目でナンパな『地域活性化』の取組み」が話題に。2016年5月から内閣府 地域活性化伝道師に。

 

熊谷 これは本当に「リアルな課題」ですね。

塩尻市・山田 そうなんです。参加していただく学生は、これらの課題について東京で仮説を立てたのち、実際に塩尻市に行って市民の方にインタビューしたり、現場を取材しながらフィールドワークを行います。

 そして最終日には、具体的な解決策を市長へ提案します。これが、提案した解決策の実現可能性を高めています。単なる「アイデアコンテスト」や「プレゼンコンテスト」ではなく、インターン生が立てた解決策が、塩尻市の問題を解決するプロジェクトになる可能性があるんです。

ソフトバンク・源田 「自分たちの仮説や解決策が、1つの市の未来を変える」という、社会的な意義があることを、実際の仕事に近い環境で、現職の市長に提案していただく。その過程で、「学生として優秀な人」から、「社会に出て必要とされる人」に変わる。学生も僕たちも、わくわくする1週間になると思います。