6月1日は2017年卒の「面接解禁日」だけでなく、2018年卒を対象とした「インターンシップ情報の公開日」でもあった。さっそくリクナビやマイナビ、就活ナビといった就職情報サイトに会員登録したという学生は多い。
一方、企業にとっても、インターンは優秀な学生や志望度の高い学生と出会うための貴重な場である。過熱するインターン、企業と学生の双方にとってメリットのあるインターンとはどんなものなのか。2017年卒の就活事情から探ってみたい。
住商、物産、みずほまで…
過熱するインターンシップ
企業は夏から来春に向けて複数回のインターンプログラムを実施する。
リクルートキャリアの最新データを見ると、企業のインターンシップ実施率(2015年度)は59.5%(前年比9.6ポイント増)、学生の参加率は39.9%(2016年卒、前年比13.0ポイント増)となっている(データは「就職白書2016」リクルートキャリア就職みらい研究所調べ)。いまや「参加して当たり前」の状況に近づいている。
インターンという言葉からは「就業体験」というイメージが強いが、実際は「採用活動」の一環として機能しているケースが多い。従業員規模1000人以上の企業では、インターン参加学生が内定者に含まれる割合が8割を超えたというデータもある。明らかにインターンが内定につながる入り口になっている。
本採用の時期よりも「早い段階で動き出している」学生は優秀な傾向にある。
そのため、インターンを通じて彼らとの接点を多く持ち、一人でも多くの採用に結び付けたいという人事の本音から、各社、競うようにインターンの開催に力を入れている。
住友商事が初のインターンを開催したことや、三井物産が受け入れ人数を前年の2倍に拡大したこと、みずほFGが実施回数を2倍にしたことなどがニュースになったのは、記憶に新しい。インターンは過熱の様相を呈している。
ここで一つの疑問がある。開催に力を入れていることがニュースに取り上げられている一方で、果たしてどのようなインターンが「人材の確保」につながっているのだろうか。単に受け入れ人数や回数を増やしただけではないはずだ。
そこで、学生にヒアリング調査を進めてみたところ、学生を惹きつけることに成功している企業には、ある共通点が存在することがわかった。