「自分の考えや打ち合わせ内容をその場で図解する。このテクニックがあれば、会議、ブレスト、プレゼンが劇的に変わる。考える力と伝える力が見違えるようにアップする」
こう語るのは、アートディレクター日高由美子氏。発売即大重版が決まった『なんでも図解ーー絵心ゼロでもできる! 爆速アウトプット術』の著者だ。「フレームワーク」や「キレイな絵」を一切排除し、瞬間的なアウトプット力の向上を徹底的に追求するワークショップ、「地獄のお絵描き道場」を10年以上続けている。複雑なことをシンプルに、難しい内容をわかりやすく。絵心ゼロの人であっても、「その場で」「なんでも」図解する力が身につくと評判になり、募集をかけてもすぐキャンセル待ちに。
本連載では「絵心ゼロの人であっても、伝わる図を瞬時に書くためのテクニック」を伝える。

緊急事態宣言、前回と今回の「違い」を“1枚の図”にしてみた!

緊急事態宣言、どこが違う? 何が違う?

 新型コロナウイルスについて未だ油断を許さない状況が続きますが、政府の「緊急事態宣言」について注目が集まっています。

 今回はNHK「緊急事態宣言生活にどう影響?」の記事の中の「去年4月の緊急事態宣言と今回はどう違うか」を図表にまとめてみました。
※この記事は1月5日時点での内容のため、今後変更の可能性があります

参考記事:NHK「緊急事態宣言生活にどう影響?」
※タイトルクリックで記事に飛びます。

 緊急事態宣言についての「前回の内容」と「今回の内容」の比較に焦点をあて、行(縦)と列(横)に要素を配置する「L型マトリックス」の型を使います。

 今回は記事内容の表記を重視し、アイコンを多用せず、内容に沿ったテキスト中心の表現にシフトしていきます。

【準備編】

 まず文章の内容を、項目とそれぞれに属する内容に分けて行きます。この時、前回の内容はグレー、今回の内容はブルーなど、マーカーで色分けしチェックしていきました。

緊急事態宣言、前回と今回の「違い」を“1枚の図”にしてみた!

 次に項目に対して要素を入れていく下書きをします。この際に、各項目に入るボリュームがわかるので、項目欄の大きさが掴めます。この時点で、

●「今回」の列の幅を広めにとったほうがよりわかりやすい
●学校の項目に対しては小中高と大学のエリア分けが必要
●「前回」の対象は時系列に沿って変化がわかるように
●キーワードに関して、削除や短縮しても意味が伝わるようにできるか

などを考察します。ここでの作業は記事と見比べながら抜け漏れ重複がないように行います。わかりにくいと感じたらどんどん新しい紙に書き直していきます。

緊急事態宣言、前回と今回の「違い」を“1枚の図”にしてみた!

図を書いていこう!

 それでは順を追って見ていきましょう。下書きができたらまずはタイトルをしっかり書きます。次に項目数に合った枠線を引きます。次の画像を見てください。

緊急事態宣言、前回と今回の「違い」を“1枚の図”にしてみた!

 枠線を引いた後は、期間、対象、住民…と、項目を書いていきます。次の画像を見てください。

緊急事態宣言、前回と今回の「違い」を“1枚の図”にしてみた!

 前回は4月7日から5月25日の解除まで、対象が変化しているので、そこをわかりやすく矢印と点線で表現。今回の一都三県については対象が明確に伝わるように県名まで書いて行きます。次の画像を見てください。

緊急事態宣言、前回と今回の「違い」を“1枚の図”にしてみた!

 飲食店イベントなどの項目に関しては、今回の「飲食の場での感染リスクの軽減を重点に置く」という内容を、その詳細についてもほぼ省略せず入れていきます。次の画像を見てください。

緊急事態宣言、前回と今回の「違い」を“1枚の図”にしてみた!

 学校に関しては、小中高と大学を分けて、学校が一斉休講要請しないことや、大学での授業体制、入試や大学共通テストが予定通り実施されているという項目がわかりやすくなるように分けて入れています。保育園に関しては、今回は「継続して開くよう求める」と言う項目を一行で書きます。上下に余白を開けると読みやすくなります。次の画像を見てください。

緊急事態宣言、前回と今回の「違い」を“1枚の図”にしてみた!