中高年社員が被害者意識にとらわれる前にやるべき「たった1つのこと」Photo:PIXTA

 働き方の変化、ビジネスモデルの転換など、コロナ禍をきっかけに企業は大きく変わろうとしている。旧態依然とした価値観から抜け出せないミドル世代は会社にとって重荷になっていく……。環境が大きく変わる中で、ミドル世代の社員はこれからのキャリアをどう考え、行動していくべきなのか。前川孝雄氏の著書『50歳からの人生が変わる痛快! 「学び」戦略』から、一部抜粋・再編集して解説する。

コロナ禍で変化は10倍速に
ミドル社員に迫る「リストラの波」

 ミドル以降の会社員は、今、厳しい状況に置かれています。ただでさえ会社に居場所はなくなってきており、会社にしがみついたところで待っているのは茨(いばら)の道です。そしてこの時代の変化はコロナ禍によってさらに加速しています。

 経営環境が悪化した企業を中心に、2020年から2021年にかけて、早期退職・希望退職を募集する企業が一気に増えたのです。東京商工リサーチのデータによると、2019年に早期退職・希望退職募集を開示した上場企業数は2018年の3倍となり、翌2020年には、前年比でさらに2.6倍となっています。2年で7.8倍増えた計算になります。このリストラのターゲットは古い価値観にとらわれ、新しい時代への対応に苦しむミドルたちです。

「コロナ禍はあくまで一時的なもの。収束して経済が回復すればまた元に戻るのではないか」と楽観視している人もいるかもしれませんが、私はそう甘くはないと考えます。