アベノミクス 継承に値するのか

憲政史上最長の約 7年8カ月続いた安倍政権の終幕で「アベノミクス」も区切りとなった。異次元金融緩和を中心とした「三本の矢」による“異形の経済政策”が残したものは何だったのか。円安・株高などで戦後2番目に長い好況を実現したが、期間中の実質成長率は1.1%と景気拡大局面としては過去最低だ。格差拡大や長い金融緩和による金融仲介機能の低下などの「負の遺産」も指摘されている。生産性向上などの地道で息の長い経済の構造改革よりはマクロ政策で需要をかさ上げすることが優先された結果だ。菅新政権は「アベノミクスの継承」を掲げるが、まずはその功罪を検証することが必要だろう。雇用は本当に改善したのか、成長の果実が広く行き渡るトリクルダウンは起きたのか――。本特集では、政治の思惑や民主党政権の“官僚排除“への反発から始まったアベノミクスの源流を示すともに、「首相+首相側近」主導による政策決定の限界、そしてアベノミクス景気の実相を関係者や識者へのインタビューを交えて報告する。

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