
岸 博幸
第60回
朝日と中日が発表した業務提携。印刷相互委託の目先のコスト削減効果は確かに大きいが、中長期の成長戦略につながるものではない。それどころか、ジャーナリズムという社会の機能を弱める副作用があるのではないか。

第59回
鳩山政権が積み上げた補正予算削減率を各省毎に見ると、面白い相関関係が分かります。官僚にとって物分かりの良い大臣がいるところほど、削減率がやはり低いのです。ある省庁を例にとって、舞台裏をお伝えしましょう。

第58回
英国の広告市場でネットがテレビを追い抜いた。これを受けて、日本のマスコミでは“ネット広告期待論”が再浮上しているが、それは英メディア界の特殊事情やネット広告の構造を知らない短絡的な議論というものだろう。

第57回
民主党政権が発足して改めて思い知られたことがある。官僚たちの“菅直人アレルギー”だ。脱官僚の本丸であり、菅氏が所管する国家戦略局は、いくら潰しても蘇る官僚ゾンビに包囲され、はや落城寸前である。

第56回
鳩山内閣に脱官僚の成功モデルを作れそうな人が数名入閣したことは評価できる。長妻厚労相は筆頭だ。しかし、亀井氏や福島氏が枢要なポストに就いたことは納得がいかない。国民新党と社民党は、選挙に勝ったわけではないのだ。

第55回
期待しているからこそ、敢えて厳しく言いたい。残念ながら、民主党が掲げる“脱官僚”は、勘所を外している。このままでは、財務省や経産省といった主要官庁の力を借りて、他の役所を血祭りに上げるだけに終わりかねない。

第54回
ついに日経新聞までもが赤字に転落。新聞社の苦境が際立ってきた。だが、にわかに浮上した新聞救済論はいかがなものか。メディア危機の本質は、ビジネスモデルの崩壊。公的支援の必要性を論じるより前に、やるべきことがあるだろう。

第53回
郵政選挙では、構造改革という政策の方向性と小泉さんの人気という自民党側の要因で圧勝となりました。これに対し、今回の選挙での民主党圧勝の原因は、民主党の政策が自民党より優れているとか、鳩山党首が麻生総理より優れているということではないと思います。

第52回
ネット課金モデルと聞けば、ウォールストリートジャーナルを連想する人は多いだろうが、有料サービスメニューの多さでは実はフィナンシャルタイムズに軍配が上がる。ネット広告モデルにしがみつく日本のメディアへの教訓を探ろう。

第51回
「強い経済が必要」とする自民党マニフェストの掛け声は評価できる。だが問題は、具体性を伴っていないことだ。民主党のマニフェストも褒められたものではなかったが、出来はかなりイマイチと言わざるを得ない。

第50回
選挙後にファインチューニングが可能な政権公約の枝葉を今この段階であれこれ批判しても仕方がない。しかし、民主党のマニフェストの欠陥は、幹の部分に揺らぎを感じることだ。これでは、“脱官僚”は有言実行できないだろう。

第49回
衆議院解散後の最初の会見はマーケティングキャンペーンの幕開け。しかしその大事な第一歩で自民党は躓き、民主党はよろめいた。どちらも、自らのブランド価値を自己中心的な供給者目線で決め付けてしまっているためだ。

第48回
民主党の圧勝に終わった都議選の結果を二大政党化の証しと捉える論調を耳にするが、それはとんでもない見当違いだ。少なくとも当時、自民・民主両党は正反対の主張をしていた。ところが今回、政策のベクトルは同じ。これでは二大政党化など夢のまた夢だ。

第47回
自民党は、衆院選の目玉候補とすべく、東国原・宮崎県知事に同党からの出馬を要請しているが、その安直なアイディアには賛成できない。率直に言って、同氏は、地方分権の雄でも、改革者でもない。

第46回
メディアにとって、ネットの収入源は大きく広告と会員課金に分かれる。だが、日本では旧来型メディアほど後者に尻込みする傾向がある。米国では、料理雑誌のCook's Illustratedなど成功例も出始めている。

第45回
ネットにすがる日本の紙メディアの方々を暗くさせて恐縮ですが、先行事例たる米国の新聞界は惨状のオンパレードです。収入の9割減、記者の7割減もある。はっきり言いましょう。ネットの広告モデルは幻想です。

第44回
米国で、新聞再生に向けた動きが活発化している。一部には、新聞社のNPO化を模索する動きもある。率直に言って、その考えはいかがかと思うが、日本の新聞社にとっても、米国の試行錯誤は参考になりそうだ。

第43回
大臣合意から1年。迷走の末、5月22日、私的録音録画補償金の対象にブルーレイ・ディスクが追加された。その顛末を見ると、日本社会がコンテンツや文化というこれからの宝に対していかに冷淡であるかがよく分かる。

第42回
GM破綻に関する日本のメディアの論評は、“構造変化の象徴”ということだった。対岸の火事ではない。同様な構造変化に直面しても抜本的な構造改革を先送りしているのはメディアも同じであり、他山の石とすべきだ。

第41回
制作から流通まで握る垂直統合型モデルの代表格たるタイムワーナーがAOL分離を決め、コンテンツ企業となる姿勢を明確にした。メディアコングロマリットの経営は今、凄まじい勢いで変容しつつある。
