
岸 博幸
第80回
将来の成長性をまったく感じられない――米国金融関係者の日本に対する評点は辛い。このままでは政府がムダの仕分け作業を行っているうちに、日本自身が世界から仕分けされてしまいかねない。

第79回
金融危機の傷いまだ癒えぬ北欧の小国アイスランドで、ユニークな国家構想が動き始めた。世界でもっとも“表現と情報の自由”が守られる環境を実現し、ジャーナリズムの天国を目指そうというのだ。

第78回
日経新聞の有料電子版の成否を巡っては、正直なところ否定的な意見が多い。だが、大事なことはネット広告収入だけでは食べていけないことを認識し、さまざまなビジネスモデルを試行錯誤することだ。その意味で、日経の動きは正しい。

第77回
先週も取り上げた公務員制度改革にとどまらず、郵政改革素案、公開会社法・・・等々、最近の民主党政権はますます支持母体である労働組合への配慮を強めている。いったい彼らは誰のために政治を行っているのか。

第76回
公務員制度改革関連法案を読んで、鳩山政権にほとほと愛想が尽きた。自民党政権が昨年作った法案より後退した部分すらあるからだ。一体何のための政権交代だったのか。民主党には今後一切「脱官僚・政治主導」と言ってほしくない。

第75回
電子出版がブームだ。アマゾンのキンドルとアップルのiPadに加え、様々な企業が電子ブックリーダーを市場に投入しようとしており、新たなネットバブルの感もある。しかし出版業界の救世主とは到底なりえないだろう。

第74回
PHS事業者のウィルコムが企業再生支援機構の支援を受けつつ法的整理によって再建を目指すと報道された。仮に事実だとすれば、JALのケースといい、社会主義経済化というモラルハザードが日本に蔓延していると言わざるを得ない。

第73回
言葉尻を捉えて非難したくないが、これはあまりに酷い。あるパーティでの前原大臣のJAL優遇発言である。本人は無邪気に語ったつもりでも、ANAはたまったものではないだろう。なによりこれが日本の航空行政かと思うと悲しくなる。

第72回
混迷を極めたJAL再建問題は、企業再生支援機構の支援の下で法的整理により再建に取り組むことで決着した。だが「法的整理」という言葉にだまされてはいけない。再建策の内容は、JALに甘く国民や金融機関に厳しい。

第71回
結論から言えば、年末発表された鳩山政権の成長戦略ほど出来がイマイチな“報告書”は久しぶりだったと思う。そもそも成長より分配を重視する民主党政権が成長戦略を出すこと自体に無理があったようだ。

第70回
ネット上で儲かるのはグーグルなどのネット企業だけ。そんな構図を覆そうという動きが、欧米メディアを中心に本格化してきた。中でも特筆すべきは、記事使用料の徴収や分配を担う新組織の必要論まで浮上してきたことだ。

第69回
国債発行額「約44兆円以内」という“霞ヶ関文学”を耳にするたびに、四捨五入で44兆4千億円までオーケーなのかと皮肉を言いたくなる。はっきり言って、鳩山政権は悪い頃の自民党政権とまったく変わらない。

第68回
ウォールストリートジャーナルのアジア版に、鳩山政権を酷評する論説が掲載された。海外の見方も一段と厳しくなっている。弛みきった政権に“活”を入れる役回りは、もはや菅直人副総理に期待するほかない。

第67回
最近の民主党政権の経済運営を見ていると、いよいよ迷走し始めたとしか思えない。報道されている補正予算の中身は、自民党政権時代の景気対策を彷彿させる陳腐なものばかりだ。

第66回
メディア王のマードック率いるニューズ社が壮大な実験に乗り出す。検索結果に傘下新聞の記事を掲載しているのに対価を支払わないグーグルからのリンクを拒否するのだという。筆者は、この決断にエールを送りたい。

第65回
行刷会議による事業仕分けは、世間の予算への関心を高めた点は評価できるが、政権から成長戦略が示されないまま事実上の財務省主導で進んだため、日本の競争力の芽を摘んでしまった可能性がある。民主党よ、本当にこれでいいのか?

第64回
日本できちんと報道されていない重要なニュースがある。米国のCATV最大手コムキャストによるハリウッドのNBCユニバーサル買収交渉だ。タイムワーナーAOLの失敗で垂直統合は見直されたはずの米国で何が起きているのか?

第63回
日本郵政の首脳人事に関する鳩山総理の答弁には呆れるほかない。せっかく民主党は脱官僚という正しい方向性を打ち出していたのに、2ヶ月も経たずにそれが終焉するとは、残念でならない。

第62回
心得違いと遺恨とは本当に恐ろしいものだ。前者は行政刷新会議の役所化を招き、後者の心理は日本郵政“実質”国有化人事の裏で恐らく強く働いた。ムダを減らすどころか増やすばかりの鳩山政権のやり方に私は絶望すら覚える。

第61回
民主党政権では最近、二つの暴走があった。前原大臣の羽田ハブ空港化発言と亀井大臣主導の日本郵政社長人事だ。ただ、前者は実は脱官僚を体現する良い暴走だ。問題は後者で、昔の自民党の非常識な暴走を思い起こさせる。
