真壁昭夫
第279回
波間に漂う木の葉のように揺れ動く日本株市場。投機筋が跋扈する相場の動きは、一方向に偏り易く、一般投資家にとってリスクが高い。その裏では、参加者のどんな思惑が交錯しているのか。日本株は堅調な上昇基調に戻る可能性はあるのか。

第278回
日経平均株価が急落して以降、市場関係者などから「株価下落はアベノミクスの限界を示した」という声が聞こえてくる。しかし、現状を見てアベノミクスを失敗だと決めつけるのは時期尚早だ。鍵となるのは「異次元の成長戦略」である。

第277回
スピード違反の上昇を続けてきた日本株市場が、5月以降、大手投資家の利益確定売りなどによって調整局面を迎えるとの観測が、現実のものとなった。株価が未曾有の乱高下を続ける「5月危機」の真相は何か。投資家は何に怯えているのか。

第276回
ドル・円相場は、当面の節目と見られていた1ドル=100円の壁を予想外のスピードで突き抜けた。市場関係者が使う分析手法「ソロス・チャート」に従うと、1ドル=110円突破も現実味を帯びてきた。どんなパラダイムシフトが起きているのか。

第275回
足もとで主要国の株式市場が軒並み上昇するなか、際立っているのが日本の株式市場だ。市場関係者の間では、“資産バブル”のときのようなまさに25年ぶりの相場との認識が広がっている。大量資金が駆け巡る市場にリスク要因はないか。

第274回
プーチン大統領との会談で安倍首相は、北方領土の返還交渉や極東地域における民間部門の開発協力など、広範囲な合意を含む共同宣言を実現した。交渉の足がかりをつくったことは評価できるが、背景にはロシア側のしたたかな筋書きも見て取れる。

第273回
最近、中国の経済・社会にとって、マイナスのニュースが目立つようになった。足踏みする成長率や鳥インフルエンザ感染の拡大は、大きな懸念事項だ。 輝きを失い始めた中国経済のリスクは、いかほどのものか。その「近未来」を考えたい。

第272回
英国初の女性首相で“鉄の女”と呼ばれたサッチャー氏が亡くなった。死してなお、彼女が行った改革は国論を二分している。わが国の政治を“鉄”のように強くして、必要な改革に向かわせるために、サッチャリズムから学ぶべきことは何か。

第271回
3月末にかけてソウルを訪れたが、意外にも現地でピリピリしたムードを感じなかった。韓国人が懸念しているのは、朝鮮戦争の休戦協定を破棄した北朝鮮の挑発行為よりも、むしろウォン高と輸出減速による経済の減速のように感じた。

第270回
昨年12月の衆院選挙での“一票の格差”に関する判決が出そろった。司法が突き付けた厳しい“最後通告”の意味とは何か。この機に我々国民も、民主主義の基本となる政治機能にどう関わっていくべきかを、自問自答してみる必要がある。

第269回
預金に対する課税案を巡って議会が紛糾し、EUやIMFへの支援要請が暗礁に乗り上げていたキプロス。ここにきて一応の合意が図られたものの、先行きは不透明だ。欧州債務危機を再び招きかねない、小国の「隠されたリスク」とは何か。

第268回
最近、韓国経済に対する悲観的な見方が強くなっている。背景には、ウォン高による輸出の伸び悩みなどにより、経済成長率が鈍化していることがある。実際、かの国が寄って立つ経済基盤は、意外なほど不安定だ。どんなリスクがあるのか。

第267回
経営悪化を背景にビジネスパートナーを求めてきたシャープは、最大のライバルであった韓国のサムスン電子と提携することを発表した。急転直下の提携発表は、同社が進む道の厳しさを改めて浮き彫りにした。今、なぜサムスンなのか。

第266回
先日明らかになった次期日銀人事は、財務省出身の黒田氏、日銀理事の中曽氏、学者の岩田氏の3人を起用するバランス人事となった。しかし、その実は安倍首相の思い通りの組み合わせとなった。アベノミクスは初志貫徹できるのか。

第265回
産業競争力会議のメンバーであるローソンの新浪剛史社長は、若手グループ社員の年収を、平成25年度に平均3%上げると発表した。アベノミクスへの期待から、今後も給与引き上げ論は盛り上がるのか。現実と理想の間には乖離も見られる。

第264回
中国のフリゲート艦が海上自衛隊のヘリコプターと護衛艦をロックオンした一方、北朝鮮の金正恩は批判を顧みず核実験に踏み切った。日本を取り巻く安全保障体制は風雲急を告げている。そろそろ真剣に新時代の「国防論」を考えたい。

第263回
円安傾向やアベノミクスに対する期待などから、日経平均株価は堅調に上昇を続けている。この活況は、このままずっと続くのだろうか。相場を動かす投機筋の行動パターンを読み、今後彼らが売りに転じる不安材料を考えてみたい。

第262回
アベノミクスにより、顕著な円安・ウォン高傾向が続いている。最近では、「アベノミクスがライバルの韓国を打ち破る」という言説も飛び交い始めた。しかし、話はそう単純ではない。今回の為替変動が両国に与える影響を再検証しよう。

第261回
水と安全はタダではない――。アルジェリアのテロで日本人10人が犠牲になった事件を顧みて、我々日本人は改めてこの言葉を噛み締める必要がある。なぜ、こんな惨事に至ったのか。本当に仕方がなかったのか。その教訓を紐解いてみたい。

第260回
中国のリベラル系週刊誌『南方週末』の記事に関する、中国共産党・宣伝局からの圧力による記事改ざん問題は、今後の中国経済のリスク要因を浮き彫りにしている。民主化の流れはもう止まらない。大きなうねりの中で世界経済が受ける影響とは?
