真壁昭夫
第246回
どうも、中国の政治・経済の様子がおかしい――。欧米のエコノミストをはじめ、足もとで中国経済の変調を危ぶむ専門家が増えている。10年ぶりにトップが代わる中国国内で、今何が起きているのか。筆者なりに変調の背景を考察したい。

第245回
不正会計処理の発覚によって経営の屋台骨が揺れていたオリンパスと、家電不況に悩むソニーの提携が正式に発表された。「弱者連合」という声も上がるなか、提携の正否は“モノづくり”のカルチャーを取り戻せるか否かにかかっている。

第244回
アップルからiPhone5が発売され、話題を呼んでいる。しかしこの製品からは、従来のiPhoneとは異なるコンセプトが微妙に感じられる。カリスマ経営者、スティーブ・ジョブズの幻影から脱却することで、同社はさらなる成長を実現できるか。

第243回
日本と中国、韓国との間で、領土をめぐる対立が深刻化している。韓国はともかく中国との関係がこれ以上悪化すれば、日本経済が被るダメージも小さくない。引くに引けなくなった彼らの拳を下ろさせるためには、どう対応すればいいか。

第242回
大阪維新の会が、ついに国政進出を決めた。橋下徹・大阪市長がこれまで行なってきた改革は、確かに評価に値する。しかし、いざ国政となったときに存在感を示せるだろうか。日本を包む「第三勢力待望論」への一抹の不安を検証する。

第241回
スマートフォンの特許技術侵害を巡るアップルとサムスンの訴訟は、米カリフォルニア州でアップルの全面勝訴に終わった。この一件からは、韓国企業の脆さが露呈すると共に、技術やソフトが今後の覇権争いを左右する構図が見えてくる。

第240回
家電各社の地盤沈下が顕著になるなか、足もとでシャープの経営危機懸念が一気に高まっている。ここまで危機が高まると早急なリストラが急務となるが、それだけでは不十分だ。背景には、日の丸家電が辿る古典的な衰退の構図が見える。

第239回
消費税率引き上げ法案の成立に伴い、報道熱が一段落した今、混迷国会の課題を冷静に振り返りたい。今の日本の国会は、民間企業にたとえると間違いなく存続が危ぶまれる状況にある。経営者の立場にある政治家たちは、何をしているのか。

第238回
ロンドンオリンピックが佳境を迎えている。日本選手の奮戦を見ていて思うのは、個人競技よりもチーム競技の成績のほうがよいことだ。筆者はそこから見えてくる日本人のメンタリティに、「失われた20年」を打ち破るための糸口を見つけた。

第237回
信じたくないことだが、日本の相対貧困率はOECD加盟30ヵ国の中で、下から4番目となっている。一億総中流意識も昔の話。日本人の経済的格差が広がり続けることは確実だ。そんな今、格差に負けず、強く生きるための指針を考えたい。

第236回
38歳のイチロー選手が、ヤンキースへ電撃移籍した。注目すべきは、彼が自分の置かれている状況を冷静に見据え、自ら移籍を申し出たことだ。その姿には、不確実性の時代を生きる中高年が“男子の本懐”を遂げるためのヒントがある。

第235回
英国のバークレイズ銀行が、不正に金利操作を行なっていたことが発覚した。不正に操作した金利は、国際的な基準となる“LIBOR”と呼ばれる金利だ。実はこれ、以前から不正操作が指摘されていた。我々が信じる“金利”には信憑性があるのか。

第234回
吉野家HDの新社長に、アルバイト出身で子会社の社長を務めていた河村泰貴氏が抜擢された。牛丼戦争が激化するなか、このユニークな経歴の持ち主に託された望みはとは何か。そこには、日本企業が見習うべき「立身出世の新法則」がある。

第233回
米アップル社が、中国で現地企業に起こされた“iPad”の商標権使用に絡む訴訟において、巨額の和解金を支払うことが報道された。先進国から見れば何とも理不尽な訴訟の顛末は、日本企業にとっても他人事とは言えない教訓に富んでいる。

第232回
消費税増税を含む社会保障と税の一体改革法案が、衆議院を通過した。小沢グループが離党を表明するなか、一経済学者から見た「小沢政局」の意味を考えたい。我々は消費税国会の学習効果を期待することができるのか。

第231回
日産自動車のカルロス・ゴーン社長の報酬が、日本の上場企業トップとしては初めて10億円を超えた。いまだ「和を以て貴しとなす」の結果平等主義が根強い日本では、反発の声もある。本来、経営機能と報酬のあるべき姿とはどんなものか。

第230回
スペイン政府によるEUへの支援要請やギリシャの再選挙で財政緊縮派が勝利するなど、欧州危機を取り巻く情勢は出口を探して一進一退を続けている。危機の深刻化は世界恐慌につながりかねない。どこに「本質的な問題」があるのだろうか。

第229回
家電をはじめ、かつての競争力を失い、中国や韓国の後塵を拝することが多くなった日本の産業。しかし、あきらめるのは早い。日本には比較優位性のある技術がまだ残っている。復活へのキーワードは「軽薄短小への原点回帰」である。

第228回
国会の原発事故調査委員会に参考人招致された菅直人元首相は、リーダーとしての自分の責任を口にしなかった。今回の質疑応答を見て、国民は「予想通りだ」と思っただろう。今の日本には、なぜまともなリーダーがいないのだろうか。

第227回
大赤字に陥ったソニー、パナソニック、シャープで、それぞれ50代の若手新社長が誕生し、経営の建て直しに向けて本格的な取り組みを始めた。彼らは「茨の道」を切り開き、V字回復を成し遂げられるか。復活への期待と不安を考える。
