真壁昭夫
第266回
先日明らかになった次期日銀人事は、財務省出身の黒田氏、日銀理事の中曽氏、学者の岩田氏の3人を起用するバランス人事となった。しかし、その実は安倍首相の思い通りの組み合わせとなった。アベノミクスは初志貫徹できるのか。

第265回
産業競争力会議のメンバーであるローソンの新浪剛史社長は、若手グループ社員の年収を、平成25年度に平均3%上げると発表した。アベノミクスへの期待から、今後も給与引き上げ論は盛り上がるのか。現実と理想の間には乖離も見られる。

第264回
中国のフリゲート艦が海上自衛隊のヘリコプターと護衛艦をロックオンした一方、北朝鮮の金正恩は批判を顧みず核実験に踏み切った。日本を取り巻く安全保障体制は風雲急を告げている。そろそろ真剣に新時代の「国防論」を考えたい。

第263回
円安傾向やアベノミクスに対する期待などから、日経平均株価は堅調に上昇を続けている。この活況は、このままずっと続くのだろうか。相場を動かす投機筋の行動パターンを読み、今後彼らが売りに転じる不安材料を考えてみたい。

第262回
アベノミクスにより、顕著な円安・ウォン高傾向が続いている。最近では、「アベノミクスがライバルの韓国を打ち破る」という言説も飛び交い始めた。しかし、話はそう単純ではない。今回の為替変動が両国に与える影響を再検証しよう。

第261回
水と安全はタダではない――。アルジェリアのテロで日本人10人が犠牲になった事件を顧みて、我々日本人は改めてこの言葉を噛み締める必要がある。なぜ、こんな惨事に至ったのか。本当に仕方がなかったのか。その教訓を紐解いてみたい。

第260回
中国のリベラル系週刊誌『南方週末』の記事に関する、中国共産党・宣伝局からの圧力による記事改ざん問題は、今後の中国経済のリスク要因を浮き彫りにしている。民主化の流れはもう止まらない。大きなうねりの中で世界経済が受ける影響とは?

第259回
サムスンの快進撃が止まらない。今や同社は、押しも押されもせぬ世界の有力企業にのし上がった。一方で、最近目新しい商品を出せなくなったのが王者アップルだ。2社の明暗が分かれ始めたのは何故か。IT業界で始まった栄枯盛衰の裏側を読む。

第258回
米国の財政の崖、ユーロ圏の信用不安問題、中国共産党内の権力闘争、そして日本のアベノミクスを見ると、2013年の世界情勢に最も大きな影響を及ぼすのは政治であることがよくわかる。“政治の年”に各国が抱える明暗を分析しよう。

第257回
今回の衆院選で、有権者は3年前に大勝させた民主党を大敗させ、嫌っていた自民党を大勝させた。これは果たして、日本の将来像まできちんと見据えた投票行動だったのか。小選挙区制のリスクと我々が持つべきバランス感覚を問う。

第256回
12月中旬、経営状況が悪化していたルネサンスエレクトロニクスの救済策の概要がまとまった。官民共同で2000億円の出資を行なうという。以前はエルピーダを切ったにもかかわらず、ルネサズだけを救った判断は、どのような結果をもたらすか。

第255回
尊い人命が失われた中央自動車道の笹子トンネル天井崩落事故。この事故を単なる偶然として片付けられるだろうか。背景には、放置された老朽化と甘い管理体制が見える。道路公団民営化を経てもなお、関係者の無責任体質は変わらない。

第254回
景気減速が鮮明化している中国、バブルの後始末が終わらない米国やユーロ圏。そうした状況下、世界経済の動向はどうなり、日本の景気にはどんな影響が及ぶのか。年末から来年にかけての世界経済を分析すると、福音とリスク要因が見て取れる。

第253回
次の総選挙で自民党が勝利し、より思い切った金融政策が行なわれるとの見通しから、金融市場では株高・円安が続いている。しかし、本当にそうなるだろうか。金融政策で主張が異なる“リフレ派”と“改革派”の議論の対立点を分析しよう。

第252回
アップルとサムスンがスマホ、タブレットの市場を席巻している。この勢いは当分続くだろう。しかし、それが10年後も続く保証は何もない。IT業界の“近未来予想図”を自由に予想してみると、日本企業が復活する可能性も見えてくる。

第251回
2013年3月期の業績が二期連続の大赤字に陥る予想を発表したパナソニック。日の丸家電の苦境極まれりという印象だが、同社については「復活への光」が差し込み始めたと見ることもできる。そう言えるのはなぜか。大赤字の中身を検証しよう。

第250回
日銀は金融政策決定会合で、金融資産買入れ基金を11兆円増額する追加金融緩和策を決定したが、市場の期待には達していない。もはや金融政策には限界が見える。デフレから脱却できない原因を、日銀のせいにしていてはいけない。

第249回
最近、筆者に寄せられる質問には、中国に関するものが圧倒的に多い。昨今言われている通り、それは中国という国がとてもわかりづらい“不思議の国”だからだろう。近い将来、かの国が“普通の国”になる可能性はあるのだろうか。

第248回
ソフトバンクによるスプリント・ネクステルの買収報道は、海外で大きな注目を浴びた。かねてより「世界一」を標榜していた孫正義社長の買収戦略は、果たして吉と出るだろうか、凶と出るだろうか。その行方を占ってみたい。

第247回
つい最近まで世界経済の牽引役だったBRICsの凋落が、足もとで鮮明化している。世界経済は牽引役を失った状態だ。次期牽引役になれるのは米国と中国しか考えられないが、自国内に不安要因を抱える彼らに期待をかけられるものだろうか。
