真壁昭夫
第39回
北京五輪を目前に控え、世界の注目を浴びる中国。だが、早くも「五輪後の景気失速懸念」が顕在化し始めている。そのアキレス腱はどこにあるのか。五輪直前にいま一度徹底検証する。

第38回
内閣府が今年度の経済成長率見通しを下方修正した。世界経済の減速感が強まるなか、米アップルのような発想力で「モノ作り」に邁進することしか、日本企業が生き残る道はない。

第37回
洞爺湖での主要国首脳会議で最も注目すべきは、世界の主役が新興国に移りつつあることだ。これは今後の世界情勢を読み説く上で、非常に重要なファクターになる。

第36回
今年6月の米国の自動車販売台数は、ガソリン価格高騰などにより前年同月より大幅に減少した。現在、世界最高峰にあるわが国メーカーも安閑としていられない。

第35回
全米10都市の4月のケース・シラー係数下げ幅が1987年以来最大となった。原油や穀物価格の上昇などから考えても、実体経済、そして世界経済は一層厳しい状況に追い込まれる可能性が高い。

第34回
国内銀行の中小企業向け貸出金残高が減少している。不良債権を増やしたくない金融機関からすれば、当然の行動だろうが、資金繰りに苦しい中小企業側にとっては厳しい現実だ。

第33回
最近、インドやベトナムなど新興国の株式市場の動きが怪しい。今後は「新興国だから大丈夫」という先入観は持たず、慎重に考えることが必要になるだろう。

第32回
就職活動に関し、昨年までの「売り手市場」に変化が起きているようだ。最近は、「希望する企業からなかなか内定をもらえない」と心配して相談に来る学生が増えている。

第31回
OKIからロームの事業売却により、半導体業界で久々に「再編気運」が高まっている。付加価値戦略で後れを取った日本企業は、もはや規模拡大へのアレルギーを捨てるべきだ。

第30回
サブプライム問題による国内大手銀行の減益額は想像以上だった。しかしこれだけでは終わらない。最大の損失は、今後証券ビジネスにおいて欧米に大きな遅れを取ることだ。

第29回
四川大地震の影響により、農産物・レアメタル価格の高騰や、格差への不満爆発が不安視されている。オリンピックを控えた中国にとっては、経済をも揺るがしかねない大惨事だ。

第28回
マイクロソフトがヤフー買収を断念した。実現すれば世界のIT産業の勢力図を塗り替える可能性があった。今回の騒動を契機に、ついに「合従連衡の時代」が幕を明けた。

第27回
最近、わが国の電気産業の業界で、企業が特定の分野から撤退するとのニュースを見かける。こうした動きの背景には、世界的な家電業界の競争激化と、企業が得意分野に経営資源を集中する姿勢がある。

第26回
今回のG7会議の様相は今までとかなり違っている。昨年のサブプライム問題以降、世界的に金融システム不安が発生しており、それを国際協調によって抑えることが至上命題になっているからだ。

第25回
インドのタタ自動車が、今夏、東京証券取引所に上場する計画だという。今回のタタ自動車の上場は、置いてきぼりを食った東京市場が、主要海外市場に追いかけるための1つの方策と見ると分かり易い。

第24回
国土交通省は今年1月1日現在の公示地価を発表。大都市圏の商業地の価格上昇傾向が顕著である。しかし見逃せない点は、昨年前半に上昇した地価が後半にはピークを打ち、むしろ下落傾向を示したことだ。

第23回
つい最近まで1ドル=120円くらいだと思っていたら、気がつくと1ドル=90円台の円高になっている。今回の為替の動きを、一言で表すとすれば、円高というよりも、むしろドル安というほうが現実に近い。

第22回
今まで、労働分配率の低下を甘受してきた労働者が、元気に賃上げ要求をし始めた。ただ、世界的な景気減速懸念が、労働者側にとって、今年の春闘にはマイナスの要素だ。

第21回
事業撤退はネガティブに取られがちだが、むしろ当然の経営戦略の1つである。最近、この言葉を新聞紙上で見かけることが多くなった。わが国企業が少しずつ変わっていることを象徴しているのかもしれない。

第20回
デカップリングとは、減速傾向が顕在化しつつある米国経済と、高い成長率を続ける新興国の経済が離れる=違った方向に進む、つまり、米国の経済が減速する一方、新興国の景気は堅調な展開を続けるという見方だ。
