真壁昭夫
第79回
ミサイル発射や核実験を行ない、孤立色を強めている北朝鮮。米国のオバマ政権でさえ、万策尽きた感がある。「わかっていそうでわかっていなかった」北朝鮮の地政学的意味を考えながら、現状の厳しさを考察しよう。

第78回
3月期決算で大幅減益や赤字に陥った企業を中心に、これまで日本経済の屋台骨を支えて来た主力事業から撤退する動きが広がっている。このようなトレンドは、実は“日本力”の拡大再生産を促すチャンスにもなり得る。

第77回
「審査結果が甘すぎるのではないか?」米国主要銀行の財務体質を精査した「ストレステスト」の結果については、このような批判が依然として絶えない。そこでこの際、批判の理由と問題の背景を徹底解剖してみよう。

第76回
一時“真っ暗闇”だった景況感には、ここへ来て、少しずつではあるが明るさが出始めている。今回、世界的な景気急落の元凶となった米国については、最近の経済指標を見る限り、下落スピードがだいぶ緩和されており、一時期の景気底割れ懸念はかなり解消している。問題は、こうした“不況下の株高”がどこまで続くかだ。

第75回
苦境に喘ぐ世界の自動車メーカーは、需要が増大する新興国のなかでも「最大の有望市場」と言われる中国で、続々と生産・販売拠点を拡充している。だが実は、中国は彼らが思っているほど“生易しい市場”ではない。

第74回
「中国経済の早期回復」への期待が、盛り上がり始めた。これから中国政府は、50兆円を超える景気対策を実施して景気浮揚を図り、高成長を維持するとしているからだ。 だが、果たしてその期待は現実的だろうか?問題は、前述のように、「中国経済が輸出主導型から、国内需要主導型の経済構造へモデルチェンジを図ることができるか否か」だ。

第73回
予断を許さない状況とはいえ、景気回復観測もちらほら出始めた米国や日本。ところが気がつけば、欧州経済が苦境から抜け出せる観測は聞こえて来ない。その背景には、「拡大EU」に起因する数々の特殊事情がある。

第72回
景気悪化の震源地となった米国の経済指標が、ここに来て軒並み好転している。だが、喜ぶのは早い。よくよく観察すれば、これらの指標が経済活動の本質を反映しているとは言い難い現状が、浮かび上がって来るからだ。

第71回
圧倒的な期待を背負って登場した米オバマ政権だが、最近では支持率が急落し始めた。その理由は、金融危機退治に手間取っていることに加え、「米国経済が抱える構造問題解決」へのメドが立っていないことだ。

第70回
税金を原資とする公的資金で命脈を保っているAIGが、社員に巨額のボーナスを支給したことが、米国民の怒りを買っている。その背景に横たわる矛盾は根が深く、今後金融危機対策の大きな障害になる可能性が高い。

第69回
かつて世界をリードした“技術のソニー”が、いよいよ岐路に立たされている。従来型のマネー経済が崩壊して“モノ作り”への回帰が叫ばれるなか、その象徴とも言うべきソニーは、日本経済の牽引役に復帰できるのか?

第68回
トヨタ自動車、ホンダ、ソニーなどの大手を中心に、企業の「トップ交代」が相次いでいる。だが、リーダーを代えるだけでは意味がない。「機能重視」の人選を行なわない限り、大不況を乗り切ることはできないのだ。

第67回
世界の株式市場は、悪材料で相場が乱高下するパニック相場から、ジリジリと底なしの下落が続く“衰弱相場”へと移っている。機関投資家が一斉に鳴りを潜める相場には、いったいいつ“回復期”が訪れるのだろうか?

第66回
まさに“綱渡り”の様相を呈して来たGMやクライスラーの救済交渉。ここに来て、市場では急速に悲観論が広まり始めている。もしも米国の自動車産業が崩壊すれば、発生するのは直接的な悪影響ばかりではない。

第65回
現在の経済状況を「大不況」としか考えないのは、大きな誤りだ。実は、20世紀型経済モデルが崩壊して、21世紀型経済モデルが到来する“端境期”なのである。新たな構造変化を読めない経営者は、生き残れないだろう。

第64回
金融改革法案の準備を進めるオバマ米国新大統領だが、実現には苦労を伴いそうだ。その行く手には、ブッシュの「パッチワーク政策の残骸」や「バブルの酔いから醒めない金融経営者」などの問題が立ちはだかっている。

第63回
企業の決算が集中する3月から決算発表が行なわれる4~5月にかけて、市場では「日本経済危機説」が盛り上がる可能性が高い。負のマインドが景気を冷え込ませる“スパイラル”に飲み込まれないために、何をすべきか?

第62回
米国と世界の命運を担って登場したオバマ新大統領の“現代版ニューディール政策”には、当初から大きな期待がかかっている。だが、理想と現実のあいだには少なからずギャップがあることも、事実なのである。

第61回
最近、「景気は今年後半に底入れし、その後ゆるやかな回復基調に転じる」という説を唱える専門家が増えている。だが、それは本当だろうか? 世界情勢を分析すると、依然楽観視できない不安要素が多いのが現状だ。

第60回
金融危機不安が続き、株式などの金融市場全般で投資慎重派が急増する一方、為替市場には積極的に個人のカネが流入し、「二極化現象」が起きている。だが、為替投資はリスクが比類なく高いことを、忘れてはならない。
