
真壁昭夫
第51回
「100年に1度」と言われる株式の暴落や円高で、戦々恐々としている投資家は多いだろう。しかし、決してパニックに陥ってはいけない。商品の価格変動性に基づく「リスク」の正体を、今一度おさらいしてみよう。

第50回
日本の「失われた10年」に酷似している米国金融危機。今後はポジションを整理して借金返済に明け暮れる「ディレバレッジ」の嵐が金融業界を飲み込むだろう。米国は「モノ作り回帰」への発想の転換が迫られている。

第49回
米国発の金融市場混乱は欧州やアジアをはじめ世界中に拡大しており、一歩づつ世界金融恐慌の入り口に進んでいるように見える。世界的な金融不安の中で、わが国が向かうべき道を考える。

第48回
戦後最大の金融危機を迎えている米国で、政策当局にとって頭の痛い問題が発生している。それは、“一般庶民の逆襲”とも言うべき、政府による金融業界救済に対する人々の反感だ。その逆襲のために、政府が提案した金融安定化法案は、一時、米下院で予想外の否決となった。その後、同法案は修正のうえ何とか可決にこぎつけたものの、今後も、公的資金を使った金融機関の救済策には、一般庶民の反感が強い。特に、今年秋には下院議員選挙がある。選挙民の反感を考えると、それぞれの議員は安定化法案の重要性は十分に理解していても、どうしても、救済策に賛成票を投じにくくなる。

第47回
サブプライム惨禍が続く米国で、リーマンを破綻に追い込んでAIGを救済したポールソン財務長官の「手腕」に、にわかに注目が集まっている。緊急事態の収拾には成功したものの、「強い米国金融」に幕を引いた現実は重い。

第46回
これまで世界の“衛星地域”的な立ち位置で経済発展してきたEU(欧州連合)。しかし、世界経済全体に急ブレーキがかかるなか、従来のような“お月さま”効果は期待できない。今後は新たな舵取りが必要になる。

第45回
福田康夫首相の突然の辞任表明により、奇しくも日本と米国では、ほぼ同時期に新リーダーを決める選挙が行なわれることとなった。まるで時代が新たな救世主を欲するかのように、その行方には問題が山積している。

第44回
現在、小康状態を保っている米ドルだが、油断は禁物だ。世界各国の思惑で買い支えられているドル相場は日和見な動きを繰り返しており、年後半の米国景気いかんで、再び大きく売り込まれる可能性もある。

第43回
不動産バブル崩壊に伴う米国景気後退の悪影響が広がり、ここにきて「世界同時不動産不況」の様相を呈し始めた。早急な「後始末」が求められるが、その出口は想像以上に遠そうだ。

第42回
これまで世界経済を牽引してきた新興国の成長が、曲がり角に差しかかっている。景気失速懸念が世界中に蔓延するなか、高成長を続ける新興国の「生き残りの論理」とは?

第41回
株価下落や商品高騰に悩む米国では、金融市場における「規制強化」のトレンドが強まっている。しかしそれが長期化すれば、「暴力的な相場変調」さえ生み出しかねない危険がある。

第40回
中国や中東にロシアが急接近している。景気失速が続く米国に替わり、一大資源国であるロシアが世界経済の覇権を握れば、未曾有の「エネルギー帝国」誕生の可能性さえある。

第39回
北京五輪を目前に控え、世界の注目を浴びる中国。だが、早くも「五輪後の景気失速懸念」が顕在化し始めている。そのアキレス腱はどこにあるのか。五輪直前にいま一度徹底検証する。

第38回
内閣府が今年度の経済成長率見通しを下方修正した。世界経済の減速感が強まるなか、米アップルのような発想力で「モノ作り」に邁進することしか、日本企業が生き残る道はない。

第37回
洞爺湖での主要国首脳会議で最も注目すべきは、世界の主役が新興国に移りつつあることだ。これは今後の世界情勢を読み説く上で、非常に重要なファクターになる。

第36回
今年6月の米国の自動車販売台数は、ガソリン価格高騰などにより前年同月より大幅に減少した。現在、世界最高峰にあるわが国メーカーも安閑としていられない。

第35回
全米10都市の4月のケース・シラー係数下げ幅が1987年以来最大となった。原油や穀物価格の上昇などから考えても、実体経済、そして世界経済は一層厳しい状況に追い込まれる可能性が高い。

第34回
国内銀行の中小企業向け貸出金残高が減少している。不良債権を増やしたくない金融機関からすれば、当然の行動だろうが、資金繰りに苦しい中小企業側にとっては厳しい現実だ。

第33回
最近、インドやベトナムなど新興国の株式市場の動きが怪しい。今後は「新興国だから大丈夫」という先入観は持たず、慎重に考えることが必要になるだろう。

第32回
就職活動に関し、昨年までの「売り手市場」に変化が起きているようだ。最近は、「希望する企業からなかなか内定をもらえない」と心配して相談に来る学生が増えている。
