2011.4.8
その例えは適切?――不適切な比喩
今回の落とし穴は、「不適切な比喩」です。比喩(例え)は、本来、人に何かを分かりやすく説明する際に、具体的なイメージを喚起することで大きな力を発揮するコミュニケーション技法ですが、不適切な比喩だと説得力を欠くことになります。
グロービス経営大学院教員
東京大学理学部卒業、同大学院理学系研究科修士課程修了。戦略系コンサルティングファーム、外資系メーカーを経てグロービスに入社。累計160万部を超えるベストセラー「グロービスMBAシリーズ」のプロデューサーも務める。
著書に『グロービスMBAキーワード 図解 基本フレームワーク50』『グロービスMBAキーワード 図解 基本ビジネス分析ツール50』『グロービスMBAビジネス・ライティング』(以上ダイヤモンド社)、『MBA 問題解決100の基本』『MBA 生産性をあげる100の基本』『MBA 100の基本』(以上東洋経済新報社)、『テクノベートMBAキーワード70』『[実況]ロジカルシンキング教室』(以上PHP研究所)、共著書に『グロービスMBA経営戦略』『グロービスMBAマネジメント・ブック』『グロービスMBAマネジメント・ブックII』(以上ダイヤモンド社)、『ビジネススクールで教えている 武器としてのITスキル』(東洋経済新報社)など。その他にも多数の共著書、共訳書がある。
グロービス経営大学院や企業研修において経営戦略、マーケティング、ビジネスプラン、管理会計、自社課題などの講師を務める。クロービスのナレッジライブラリ「GLOBIS知見録」に定期的にコラムを連載するとともに、各所で講演や寄稿なども行っている。また、動画サービス「グロービス学び放題」を監修。
2011.4.8
今回の落とし穴は、「不適切な比喩」です。比喩(例え)は、本来、人に何かを分かりやすく説明する際に、具体的なイメージを喚起することで大きな力を発揮するコミュニケーション技法ですが、不適切な比喩だと説得力を欠くことになります。
2011.4.1
今回の落とし穴は、「透明性幻想」です。これは、他人は自分のことを実際以上によく知っている、あるいは逆に、自分は他人のことを実際以上によく知っていると思いこんでしまう思考バイアスです。
2011.3.25
今回の落とし穴は「モラル正当化」です。これは、ある事柄について良いことをした人間が、別の事柄については「別のところで良いことをしたのだから、このくらいは許されるだろう」と、モラルの高くない意思決定をしてしまうことを言います。
2011.3.18
今回の落とし穴は、「無意識の限界」です。これは、本来、もっと大きくなる可能性があるかもしれないものに、「これ以上大きくなりようがない」と、無意識に「天井」や「限界」を設定してしまうものです。
2011.3.11
今回の落とし穴は、「虚偽の相対順位」です。これは、本来の順位を分かりにくくするために、ダミーの上位(もしくは下位)ランクを入れることで相対的な順位を変え、相手の錯覚を誘おうというものです。
2011.3.4
今回の落とし穴は、「同意されている前提への反論」です。これは、相手が特段反対していない前提に対してその前提が暗黙的であり明示的に示されてはいないために、それが主張の重要な根拠だと思い込んで、そこに反論したりすることです。
2011.2.25
今回の落とし穴は、「論点のすり替え」です。個別の発言そのものは筋が通っていても、そもそもの論点(イシュー)にそぐわない意見になってしまっているというものです。
2011.2.18
今回の落とし穴は、「例外の撲滅」です。これは、ルールをひたすら守り、一切の例外を認めようとしないというものです。それなりの根拠もあるのですが、往々にして、極めて硬直的な意思決定や組織運営を招くことがあるため要注意です。
2011.2.11
今回の落とし穴は、「算術平均の誤用」です。これは、本来、単純な算術平均を用いてはいけないシーンで算術平均を用いてしまうというものです。
2011.2.4
今回の落とし穴は、「タイムラグの見落とし」です。これは、ある施策や出来事などの影響や効果が時間をおいてあらわれるにもかかわらず、「施策の効果がなかった」などとすぐに判断してしまうことです。
2011.1.28
今回の落とし穴は「連座の誤謬」です。これは、仮にある主張が正しかったとしても、発言の成否を、内容の正しさではなく、発言した人間の人格で判断してしまうという落とし穴です。
2011.1.21
今回の落とし穴は、「ポジショントーク」です。これは、主張やポリシーに一貫性がなく、その時々で、自分(の立場)に都合がいいような発言をしてしまうものです。
2011.1.14
今回の落とし穴は、「認知的不協和」です。人間が矛盾する認知を持った時に不快な感じを持つことを指します。問題なのは、認知的不協和を持った時、この不快感を解消するために望ましくない認知を持ち行動してしまうことです。
2011.1.7
今回の落とし穴は、「ハウスマネー効果」です。これは、幸運で得た利得については、ハイリスクの投資をしたりするなど、使い方が荒くなってしまう心理的傾向を指します。
2010.12.24
今回の落とし穴は、「擬似相関」です。これは、ある要素とある要素の相関関係を見た時、一見相関があるように見えて、実は、その相関関係は別の要素(因子)の影響によるものであり、もとの要素間には本来相関関係がないというものです。
2010.12.17
今回の落とし穴は、「単位の落とし穴」です。これは、何かを測定する際に、不適切な単位を採用したために、適切な比較ができなくなるというものです。あなたは海外旅行に行ったとき、この落とし穴にはまってはいないでしょうか。
2010.12.10
今回の落とし穴は、「近視眼の罠」です。これは、短期的な効果に目を奪われてしまって、長期的にはかえって好ましくない結果をもたらすような意思決定をしたり、施策をうってしまったりするという落とし穴です。
2010.12.3
あなたは「これだから○○世代は…」などというステレオタイピングを持っていないでしょうか。こうした考え方は、ある意味で意思決定などを加速しますが、意思決定の質を落としてしまう可能性があることは容易に想像がつくでしょう。
2010.11.26
今回の落とし穴は、「デフォルト設定の罠」です。これは、デフォルト設定(初期設定)に引っ張られて、必ずしも望ましくない行動をとってしまうというものです。もっと効果的なデフォルト設定があっても、見過ごしてしまうことも落とし穴です。
2010.11.19
今回の落とし穴は、ニーズ無視の規制の罠です。為政者などは、人間が本質的に持つニーズである飲酒やギャンブルなどを「悪徳」とみなして規制しようとすることがありますが、それはかえって好ましくない結果をもたらしかねません。
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